支台築造用コンポジットレジンの曲げ強さと接着性

「緒言」支台築造は, 崩壊した歯冠形態を回復し, 上部構造物を装着できるようにする処置であり, その目的は補綴物の保持力増大や残存歯質の補強などが挙げられる. 支台築造体は, 口腔内での咬合力, 温度変化, 唾液の存在など厳しい環境下で長期間において, その機能を維持しなければならない. 現在, 支台築造には, 金属の鋳造によるメタルコアと支台築造用コンポジットレジンを用いたレジンコアがある. メタルコアは, 機械的強度が高く, 歯冠崩壊が著しい場合に使用される. しかし, 弾性係数が象牙質より高いことから, ポスト先端に応力集中を起こし, 骨縁下での歯根破折の原因となると報告されている. 一...

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Published in神奈川歯学 Vol. 54; no. 1; pp. 1 - 9
Main Authors 和田悠希, 青木三宅香, 亀山祐佳, 大橋桂, 緑野智康, 押川亮宏, 下山和夫, 二瓶智太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.2019
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Summary:「緒言」支台築造は, 崩壊した歯冠形態を回復し, 上部構造物を装着できるようにする処置であり, その目的は補綴物の保持力増大や残存歯質の補強などが挙げられる. 支台築造体は, 口腔内での咬合力, 温度変化, 唾液の存在など厳しい環境下で長期間において, その機能を維持しなければならない. 現在, 支台築造には, 金属の鋳造によるメタルコアと支台築造用コンポジットレジンを用いたレジンコアがある. メタルコアは, 機械的強度が高く, 歯冠崩壊が著しい場合に使用される. しかし, 弾性係数が象牙質より高いことから, ポスト先端に応力集中を起こし, 骨縁下での歯根破折の原因となると報告されている. 一方, レジンコアの機械的強度は, メタルコアと比べて劣るものの, 弾性係数が象牙質と近似しているため, 歯根破折を防止でき, アンダーカット部にも利用できることから, 健全歯質の保存や審美性の点で有利である.
ISSN:0454-8302