回旋性眼振を認めた脳幹悪性リンパ腫の一例

「はじめに」近年, 赤外線CCDカメラの普及により, 良性発作性頭位めまい症の診断が向上した. しかし, 頭位性めまい症例の中には比較的稀だが中枢性頭位めまいが含まれている場合もあり, その診断は慎重に行う必要がある. 今回我々は, 初診時の頭位変換眼振検査において回旋性眼振を認めた脳幹悪性リンパ腫の一例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.「症例」患者:51歳, 女性. 主訴:浮動性めまい, 悪心, 嘔吐. 家族歴:母がパーキンソン症候群. 既往歴:特記事項なし. 合併症:特記事項なし. 現病歴:2000年9月頃より頭部回転時や起立時に浮動性めまい, 悪心, 嘔吐を自覚するように...

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Published inめまい平衡医学 Vol. 65; no. 1; pp. 11 - 16
Main Authors 福田裕次郎, 池田卓生, 堀池修, 山崎愛語, 下郡博明, 山下裕司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本めまい平衡医学会 01.02.2006
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Summary:「はじめに」近年, 赤外線CCDカメラの普及により, 良性発作性頭位めまい症の診断が向上した. しかし, 頭位性めまい症例の中には比較的稀だが中枢性頭位めまいが含まれている場合もあり, その診断は慎重に行う必要がある. 今回我々は, 初診時の頭位変換眼振検査において回旋性眼振を認めた脳幹悪性リンパ腫の一例を経験したので, 若干の文献的考察を加え報告する.「症例」患者:51歳, 女性. 主訴:浮動性めまい, 悪心, 嘔吐. 家族歴:母がパーキンソン症候群. 既往歴:特記事項なし. 合併症:特記事項なし. 現病歴:2000年9月頃より頭部回転時や起立時に浮動性めまい, 悪心, 嘔吐を自覚するようになった. 近医内科を受診し抗めまい薬による治療を受けたが症状は改善せず, 徐々に増悪してきたため, 2001年12月25日当院総合外来を受診した. 同日, 頭部CTを施行したが異常を認めなかったため, 翌日に当科外来を紹介受診した. 受診する4日前から強い悪心, 嘔吐のため摂食困難な状況であった.
ISSN:0385-5716