自然気胸に対する胸腔鏡下手術56例 (63側) の検討
1992年6月から1996年12月までに当科で自然気胸に対し, 56例 (63側) の胸腔鏡下手術 (video-assistedthoracic surgery : VATS) を施行した.この63側を前期 (1992年6月~1994年8月) 31側と後期 (1994年9月~1996年12月) 32側に分けて比較することにより, VATSの成績とその問題点について検討した.両群の手術適応, 性別, 年齢に有意差はなかった.手術時間と手術後在院期間が後期群で有意に減少した.術後気胸再発は前期群のみに3例 (全体の4.8%) 認められ, それぞれ術後9, 10, 16日目に発症し, 2例に再手術...
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Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 11; no. 7; pp. 812 - 816 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
15.11.1997
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Subjects | |
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ISSN | 0919-0945 1881-4158 |
DOI | 10.2995/jacsurg.11.812 |
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Summary: | 1992年6月から1996年12月までに当科で自然気胸に対し, 56例 (63側) の胸腔鏡下手術 (video-assistedthoracic surgery : VATS) を施行した.この63側を前期 (1992年6月~1994年8月) 31側と後期 (1994年9月~1996年12月) 32側に分けて比較することにより, VATSの成績とその問題点について検討した.両群の手術適応, 性別, 年齢に有意差はなかった.手術時間と手術後在院期間が後期群で有意に減少した.術後気胸再発は前期群のみに3例 (全体の4.8%) 認められ, それぞれ術後9, 10, 16日目に発症し, 2例に再手術を要した.再発の原因はVATS時の嚢胞の見逃しであった.後期群でVATSの成績が改善した理由は手術技術の向上及び適切な手術器具の選択によることと, 術前の胸部X線写真, CT写真評価が重要であった.気胸に対するVATSは安全であり, 在院期間の短縮, 疼痛軽減などの利点があり, 成績の面でも開胸術に劣らないものと考えられた. |
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ISSN: | 0919-0945 1881-4158 |
DOI: | 10.2995/jacsurg.11.812 |