脳の放射線壊死

脳腫瘍の放射線治療に続発した脳の放射線壊死は古くから多くの報告があるにもかかわらず発症の機構, 臨床像等不明な点が多く, 腫瘍再発との鑑別が困難なことが多い. 我々は, 脳の放射線壊死のnatural historyを明らかにするために, 放射線壊死を「原発腫瘍と部位を異にし, 照射部位に一致した脳に生じた壊死巣で, 病理学的に確認されたもの」と定義し, 1967年から1976年までに放射線療法を行った脳腫瘍症例中, 正常脳に発生した放射線壊死について検討を行った. 症例 症例は, 男5例, 女1例の計6例である. 原疾患は, 色素嫌性腺腫4例, 末端肥大症, 中脳腫瘍各1例である. 放射線療...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 19; no. 4; pp. 367 - 372
Main Authors 小川彰, 和田徳男, 手戸透, 並木恒男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1979
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ISSN0470-8105

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Summary:脳腫瘍の放射線治療に続発した脳の放射線壊死は古くから多くの報告があるにもかかわらず発症の機構, 臨床像等不明な点が多く, 腫瘍再発との鑑別が困難なことが多い. 我々は, 脳の放射線壊死のnatural historyを明らかにするために, 放射線壊死を「原発腫瘍と部位を異にし, 照射部位に一致した脳に生じた壊死巣で, 病理学的に確認されたもの」と定義し, 1967年から1976年までに放射線療法を行った脳腫瘍症例中, 正常脳に発生した放射線壊死について検討を行った. 症例 症例は, 男5例, 女1例の計6例である. 原疾患は, 色素嫌性腺腫4例, 末端肥大症, 中脳腫瘍各1例である. 放射線療法には全例にテレコバルトが用いられた.
ISSN:0470-8105