反復性肩関節前方脱臼の関節上腕靭帯複合体に関する臨床的解剖学的検討
「はじめに」関節上腕靭帯複合体(Glenohumeral ligament complex:GHLC)は, 重要な静的肩関節安定化機構の一つである1)2). 外傷性肩関節前方不安定症のGHLCの特徴を知るため, GHLCを関節鏡視下に評価し, 屍体肩所見と比較検討した. 対象と方法 解剖学実習屍体肩中, 関節上腕靭帯複合体の損傷がない43例84肩を対照群とした. 男性27例, 女性16例であり, 平均死亡時年齢は, 74.1歳であった. 反復性肩関節前方(亜)脱臼22例22肩を外傷性肩関節前方不安定症(Traumatic anterior instability:TAI)群とした. 男性21例...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 1; pp. 133 - 135 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2000
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 「はじめに」関節上腕靭帯複合体(Glenohumeral ligament complex:GHLC)は, 重要な静的肩関節安定化機構の一つである1)2). 外傷性肩関節前方不安定症のGHLCの特徴を知るため, GHLCを関節鏡視下に評価し, 屍体肩所見と比較検討した. 対象と方法 解剖学実習屍体肩中, 関節上腕靭帯複合体の損傷がない43例84肩を対照群とした. 男性27例, 女性16例であり, 平均死亡時年齢は, 74.1歳であった. 反復性肩関節前方(亜)脱臼22例22肩を外傷性肩関節前方不安定症(Traumatic anterior instability:TAI)群とした. 男性21例, 女性1例であり, 平均年齢は20.3歳であった. 検討項目は, 1)上関節上腕靱帯(superior glenohumeral ligament:SGHL), 中関節上腕靭帯 (middle glenohumeral ligament:MGHL), 下関節上腕靭帯(inferior glenohumeral ligament:IGHL)それぞれの存在頻度, 2)GHLCの形態分類である. GHLCの形態分類は, type 1:3つの関節上腕靭帯が明らか存在する典型的形態, type 2:3つの関節上腕靭帯が存在するが, 細いMGHLとIGHLの間に滑膜腔があるもの, type 3:SGHLとIGHLが存在するがMGHLが明らかでないもの, type 4:no ligament patternとした(図1). |
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ISSN: | 0037-1033 |