Leri-Weill症候群の手関節Madelung変形に対する手術経験

「はじめに」Leri-Weill症候群は四肢中節の短縮による低身長, 手関節のMadelung変形を特徴とし, 女性に多く, また女性に変形の強く現れる常染色体優性遺伝を示す疾患である4). Madelung変形に対する術式としてこれまで橈骨骨切り術2)5)7), 尺骨短縮術3)5), 尺骨遠位端切除3)6)などの報告が散見される. 今回, 私達は成人2例小児1例に対し, 橈骨楔骨切り術を行ったので報告する. 症例【症例1 25才女性】12才時に右手関節痛を自覚し近医受診した. レ線上手関節の変形を指摘されたが痛みが軽快したため放置していた. 24才で看護婦として働くようになり, 患者の体位交...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 47; no. 4; pp. 1207 - 1212
Main Authors 豊原一作, 金谷文則, 普天間朝上, 茨木邦夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 1998
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」Leri-Weill症候群は四肢中節の短縮による低身長, 手関節のMadelung変形を特徴とし, 女性に多く, また女性に変形の強く現れる常染色体優性遺伝を示す疾患である4). Madelung変形に対する術式としてこれまで橈骨骨切り術2)5)7), 尺骨短縮術3)5), 尺骨遠位端切除3)6)などの報告が散見される. 今回, 私達は成人2例小児1例に対し, 橈骨楔骨切り術を行ったので報告する. 症例【症例1 25才女性】12才時に右手関節痛を自覚し近医受診した. レ線上手関節の変形を指摘されたが痛みが軽快したため放置していた. 24才で看護婦として働くようになり, 患者の体位交換介助の際に右手関節痛が出現したため近医再受診し当科紹介となった. 既往歴に特記すべきことは無く, 家族歴では母親に低身長を認めた(表1). 身体所見では身長148cmと低身長を認めた. 両手関節, 特に右に強いMadelung変形を認め, 右手関節尺掌側に圧痛を認めた. 手関節の関節可動域は伸展/屈曲が右50°/60°, 左70°/60°, 橈屈/尺屈が右10°/23°, 左20°/45°, 前腕回外/回内が右85°/70°, 左60°/110°と右手関節の伸展, 橈屈, 左前腕の回外が制限されていた.
ISSN:0037-1033