抗悪性腫瘍薬の混合調製から投与, 廃棄までを考慮した曝露防止器材(ケモセーフ(R))の評価

「緒言」 抗悪性腫瘍薬の多くは変異原性や催奇形性を有するため, 医療従事者が取り扱う際に飛散や曝露を防止するための十分な対策が必要である.1,2) 近年, 抗悪性腫瘍薬の混合調製では操作時の飛散や漏れを防止するために曝露防止器材として閉鎖式薬物混合システムが導入されるようになり, 国内外のガイドラインなど(http://www.cdc.gov/niosh/docs/2004-165/pdfs/2004-165.pdf, 平成24年6月26日)においても積極的な使用が推奨されている.3,4) 一方, 混合調製された抗悪性腫瘍薬の患者への投与や投与後の廃棄などの操作では, 混合調製と同様に曝露の危...

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Published in医療薬学 Vol. 39; no. 2; pp. 117 - 124
Main Authors 柳原良次, 苫米地敬, 阿部敏秀, 折山豊仁, 片岡ヤス子, 小見山智恵子, 中島克佳, 鈴木洋史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医療薬学会 10.02.2013
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ISSN1346-342X

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Summary:「緒言」 抗悪性腫瘍薬の多くは変異原性や催奇形性を有するため, 医療従事者が取り扱う際に飛散や曝露を防止するための十分な対策が必要である.1,2) 近年, 抗悪性腫瘍薬の混合調製では操作時の飛散や漏れを防止するために曝露防止器材として閉鎖式薬物混合システムが導入されるようになり, 国内外のガイドラインなど(http://www.cdc.gov/niosh/docs/2004-165/pdfs/2004-165.pdf, 平成24年6月26日)においても積極的な使用が推奨されている.3,4) 一方, 混合調製された抗悪性腫瘍薬の患者への投与や投与後の廃棄などの操作では, 混合調製と同様に曝露の危険性があるにもかかわらず有用な対策が見出されていないのが現状である.5) ケモセーフ(R)(テルモ(株))は, 混合調製時に使用するバイアルアダプター, ケモセーフシリンジ, バッグアクセスおよび投与時に使用するインフュージョンセットからなる曝露防止器材である(図1).
ISSN:1346-342X