頭皮のcirsoid aneurysmの1例

頭皮のcirsoid aneurysmは比較的まれな疾患である. 疾患分類では血管奇形に含まれるが, 現在までさまざまな名称がつけられており混乱を招いている. 我々は, 最近後頭部に発生した頭皮cirsoid aneurysmの1例を経験したので報告する. 症例 <患者>44才, 男性 主訴:右後頭部痛, 同部拍動性腫瘤 家族歴・既往歴:特記事項なし 現病歴:1975年9月, ゴルフボールが右側頭部にあたり線状骨折が認められたが, 神経学的には特に異常所見はなく退院. しかしその時すでに右後頭部に胡桃大腫瘤が存在していた. この腫瘤は1970年頃, すなわち10年前から気づいていた...

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Published inNeurologia medico-chirurgica Vol. 22; no. 8; pp. 673 - 676
Main Authors 小西善史, 玉川輝明, 原充弘, 竹内一夫, 豊田博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経外科学会 1982
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ISSN0470-8105

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Summary:頭皮のcirsoid aneurysmは比較的まれな疾患である. 疾患分類では血管奇形に含まれるが, 現在までさまざまな名称がつけられており混乱を招いている. 我々は, 最近後頭部に発生した頭皮cirsoid aneurysmの1例を経験したので報告する. 症例 <患者>44才, 男性 主訴:右後頭部痛, 同部拍動性腫瘤 家族歴・既往歴:特記事項なし 現病歴:1975年9月, ゴルフボールが右側頭部にあたり線状骨折が認められたが, 神経学的には特に異常所見はなく退院. しかしその時すでに右後頭部に胡桃大腫瘤が存在していた. この腫瘤は1970年頃, すなわち10年前から気づいていたとのことで, この精査は希望せず放置した. この外傷5年前を契機として腫瘤は除々に増大し, 最近自覚的にも拍動が感じられ, しかも後頭部痛も増強してきたので, 1980年8月18日当科へ再入院した. 入院時所見:体格は中等, 栄養良好, 脈拍74/分, 血圧118/70mmHg, 胸・腹部の理学的所見に異常認めず.
ISSN:0470-8105