関節周辺骨折に対するIlizarov創外固定器の応用
「はじめに」関節周辺骨折は可動域制限や運動時疼痛, 変形治癒などの機能障害を残すことが多いため, 治療として正確な整復, 強固な固定と早期運動療法を必要とする. しかし, 関節周囲の粉砕骨折や骨粗鬆の強い例では, 強固な内固定を得ることが困難なため治療に難渋することが多い. 今回我々はIlizarov創外固定器を用いて下肢の関節周辺骨折に対して骨接合を行い, 良好な結果が得れたので報告する.「対象」対象は1996年8月より1999年4月の間に下肢の関節周辺骨折に対して当科でIlizarov創外固定器を使用して骨接合を行った9例9骨折で, 男性4例, 女性5例, 手術時年齢は8歳~78歳(平均5...
Saved in:
Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 969 - 972 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2001
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0037-1033 |
Cover
Loading…
Summary: | 「はじめに」関節周辺骨折は可動域制限や運動時疼痛, 変形治癒などの機能障害を残すことが多いため, 治療として正確な整復, 強固な固定と早期運動療法を必要とする. しかし, 関節周囲の粉砕骨折や骨粗鬆の強い例では, 強固な内固定を得ることが困難なため治療に難渋することが多い. 今回我々はIlizarov創外固定器を用いて下肢の関節周辺骨折に対して骨接合を行い, 良好な結果が得れたので報告する.「対象」対象は1996年8月より1999年4月の間に下肢の関節周辺骨折に対して当科でIlizarov創外固定器を使用して骨接合を行った9例9骨折で, 男性4例, 女性5例, 手術時年齢は8歳~78歳(平均55歳)であった. 骨折部位は大腿骨遠位部1例, 下腿近位部3例, 下腿遠位部5例で, このうち開放骨折が3例であった(表1). 「結果」(1)追加手術を必要とせずIlizarov創外固定単独で骨癒合が得られた症例は9例中8例であった. (2)下腿近位部の開放骨折の1例は偽関節を生じdecorticationと骨移植を追加した. |
---|---|
ISSN: | 0037-1033 |