下位腰椎不安定性に対するテクミロンテープ固定の試み

「はじめに」今回我々は, 下位腰椎不安定性に対し, 制動効果を期待して超高分子量ポリエチレンであるテクミロンテープによる固定を試みたので報告する. 症例は, 年間腰椎後方手術300例のうちテクミロンテープによる固定を30例に施行し, うち3ヶ月以上フォローできた20例(男:女=5:15)である. 年齢は平均68才(57~81才). フォロー期間は平均7.3ヶ月(3ヶ月~12ヶ月), LCS 6例, DSL 14例に対し手術を行った. 適応は, 腰痛のある症例, 腰椎すべりのある症例, 不安定性が強い症例, 金属固定までは必要ないものとした(表1). 固定は, 幅3ミリのテクミロンテープを誘導針...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 1; pp. 42 - 46
Main Authors 西芳徳, 岡嶋啓一郎, 高野晴夫, 村上直也, 藤井洋, 福田朋博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」今回我々は, 下位腰椎不安定性に対し, 制動効果を期待して超高分子量ポリエチレンであるテクミロンテープによる固定を試みたので報告する. 症例は, 年間腰椎後方手術300例のうちテクミロンテープによる固定を30例に施行し, うち3ヶ月以上フォローできた20例(男:女=5:15)である. 年齢は平均68才(57~81才). フォロー期間は平均7.3ヶ月(3ヶ月~12ヶ月), LCS 6例, DSL 14例に対し手術を行った. 適応は, 腰痛のある症例, 腰椎すべりのある症例, 不安定性が強い症例, 金属固定までは必要ないものとした(表1). 固定は, 幅3ミリのテクミロンテープを誘導針にて誘導し, 締結器にて後方より締めあげる方法である. 棘突起間固定では, 骨粗鬆症例など棘突起がもろい症例が続き, 術中の固定がきまらなかったため, より強固な固定方法としてMcGraw法を応用した. 以下McGraw変法とする. McGraw変法は, 1本のテープをまず, 上位椎弓に通し, 下位の棘突起に引っかけるようにして左右とも行い, ダブルループスライディングノットで結紮, 人体用アロンアルファーで固定するという手技である(図1).
ISSN:0037-1033