内頸動脈閉塞に合併した脳底動脈瘤の2症例
内頸動脈閉塞に脳動脈瘤を合併した症例の報告はまれである. また, 内頸動脈閉塞に伴う外頸動脈からの側副血行路は主に眼動脈を介したものが多く, 正円孔を通過する血管を主体とするものは文献上報告がみられない. 今回著者らは, 内頸動脈閉塞の側副血行路として顎動脈から分岐したartcry of the foramen rotundumまたはvidian arteryと思われる拡張した血管が認められ, さらに脳底動脈瘤を合併した2症例を経験したので報告する. 症例 〈症例1〉71才, 女性 主訴:意識障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:1985年4月5日早朝, 自宅のトイレで意識を失っ...
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Published in | Neurologia medico-chirurgica Vol. 29; no. 2; pp. 151 - 156 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本脳神経外科学会
1989
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ISSN | 0470-8105 |
Cover
Summary: | 内頸動脈閉塞に脳動脈瘤を合併した症例の報告はまれである. また, 内頸動脈閉塞に伴う外頸動脈からの側副血行路は主に眼動脈を介したものが多く, 正円孔を通過する血管を主体とするものは文献上報告がみられない. 今回著者らは, 内頸動脈閉塞の側副血行路として顎動脈から分岐したartcry of the foramen rotundumまたはvidian arteryと思われる拡張した血管が認められ, さらに脳底動脈瘤を合併した2症例を経験したので報告する. 症例 〈症例1〉71才, 女性 主訴:意識障害 家族歴・既往歴:特記すべきことなし. 現病歴:1985年4月5日早朝, 自宅のトイレで意識を失って倒れているところを発見され, 同日, 双三中央病院脳神経外科に入院した. 入院時所見:意識レベル100(3-3-9度方式), 左片麻痺, 項部強直が認められ, 眼底所見では著明な動脈硬化がみられた. 理学的所見は異常なく, 血圧は144/90mmHg, 脈拍は90回/分と正常であった. 血液・尿検査, 心電図は正常であった. |
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ISSN: | 0470-8105 |