髄内釘 (Polarus 3) を用いた上腕骨近位端骨折に対する治療経験

本研究では大結節部に4本のスクリューが挿入可能な上腕骨近位部骨折用髄内釘(Polarus 3)を用いて骨接合術を行ったのでその成績を報告する. 対象は平成28年7月から平成29年6月までに当院で手術を行った11例(男性3例, 女性8例)で, 手術時平均年齢は73.3歳, 骨折型はNeer分類2パート5例, 3パート5例, 4パート1例であった. 最終観察時のJOAスコア, 単純X線およびCT検査にて骨癒合・スクリューの転位および挿入状況・内反転位を評価した. 最終追跡時の平均JOAスコアは81.2点であった. 5°以上の内反転位を認めた1例では, 高齢で大結節の粉砕を伴っており, 整復位やヘッ...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 67; no. 3; pp. 575 - 578
Main Authors 中西浩一朗, 安樂喜久, 堤康次郎, 安藤卓, 立石慶和, 上川将史, 武藤和彦, 米村光信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2018
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ISSN0037-1033

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Summary:本研究では大結節部に4本のスクリューが挿入可能な上腕骨近位部骨折用髄内釘(Polarus 3)を用いて骨接合術を行ったのでその成績を報告する. 対象は平成28年7月から平成29年6月までに当院で手術を行った11例(男性3例, 女性8例)で, 手術時平均年齢は73.3歳, 骨折型はNeer分類2パート5例, 3パート5例, 4パート1例であった. 最終観察時のJOAスコア, 単純X線およびCT検査にて骨癒合・スクリューの転位および挿入状況・内反転位を評価した. 最終追跡時の平均JOAスコアは81.2点であった. 5°以上の内反転位を認めた1例では, 高齢で大結節の粉砕を伴っており, 整復位やヘッドアンカリングが良好であったにもかかわらず転位した. スクリューバックアウトを1例に認めたが, 再手術を要した症例はなく全例で骨癒合が認められた. 近位スクリューは全例4本とも大結節に挿入されていた. 骨片の大きさや骨質, 粉砕の有無を考慮する必要があるが, 本インプラントは大結節骨片を有する骨折型にも有用である.
ISSN:0037-1033