HSP40ファミリーのDNAJA1は変異型p53との会合を介してがんの転移を促進する

これまで分子シャペロン機能を持つ熱ショックタンパク質(heat shock proteins, HSPs)(具体的にはHSP90やHSP70など)やその転写因子であるHSF1が, がんの発生や進展, 転移などに関与していることは多く報告されてきている, 一方, シャペロン補助因子(co-chaperone)であるHSP40ファミリーのメンバーについては, DNAJA3/Tid1はがんに対して抑制的に働き, DNAJB8はがんに対して促進的に機能していることなどが報告されている. 今回紹介するのは, そのHSP40ファミリーの別のメンバーであるDNAJA1が, 変異p53(mp53)と会合して安...

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Published inThermal Medicine Vol. 38; no. 1; pp. 30 - 31
Main Author 大塚健三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ハイパーサーミア学会 15.03.2022
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ISSN1882-2576

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Summary:これまで分子シャペロン機能を持つ熱ショックタンパク質(heat shock proteins, HSPs)(具体的にはHSP90やHSP70など)やその転写因子であるHSF1が, がんの発生や進展, 転移などに関与していることは多く報告されてきている, 一方, シャペロン補助因子(co-chaperone)であるHSP40ファミリーのメンバーについては, DNAJA3/Tid1はがんに対して抑制的に働き, DNAJB8はがんに対して促進的に機能していることなどが報告されている. 今回紹介するのは, そのHSP40ファミリーの別のメンバーであるDNAJA1が, 変異p53(mp53)と会合して安定化することでがんの転移を促進するというKaidaらの報告である.
ISSN:1882-2576