Short-type Double-Balloon Endoscope (Short-DB) を用いて治療した膵頭十二指腸切除後に発症した魚骨を核とした胆管結石の3例
要旨: 我々は膵癌に対して膵頭十二指腸切除術後で, バルーン内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆道造影(Endoscopic retrograde cholangiography: ERC)で治療した魚骨を核とした胆管結石3例を経験したので報告する. 症例1: 80歳男性, 発見契機は肝胆道系酵素上昇であった. 症例2: 72歳男性, 発見契機は胆管炎であった. 症例3: 83歳男性, 発見契機は右季肋部痛で, 膵癌術後再発を同時に指摘された. 全症例でバルーン内視鏡を用いたERCで結石除去し, 治療後偶発症は見られなかった. 本邦では魚食習慣が根付いており, また膵癌の罹患率上昇とともに術後再建腸...
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Published in | 胆道 Vol. 35; no. 5; pp. 731 - 736 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本胆道学会
31.12.2021
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ISSN | 0914-0077 |
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Summary: | 要旨: 我々は膵癌に対して膵頭十二指腸切除術後で, バルーン内視鏡を用いた内視鏡的逆行性胆道造影(Endoscopic retrograde cholangiography: ERC)で治療した魚骨を核とした胆管結石3例を経験したので報告する. 症例1: 80歳男性, 発見契機は肝胆道系酵素上昇であった. 症例2: 72歳男性, 発見契機は胆管炎であった. 症例3: 83歳男性, 発見契機は右季肋部痛で, 膵癌術後再発を同時に指摘された. 全症例でバルーン内視鏡を用いたERCで結石除去し, 治療後偶発症は見られなかった. 本邦では魚食習慣が根付いており, また膵癌の罹患率上昇とともに術後再建腸管例も増えていることから, 本報告のように魚骨を核とした胆管結石のリスクについて十分に注意する必要がある. また, バルーン内視鏡を用いた結石除去術は安全に施行可能であり, 特に有症状例においては, 積極的に治療を考慮してよいと考える. |
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ISSN: | 0914-0077 |