末期変形性膝関節症に対する次世代多血小板血漿APS (autologous protein solution) 療法における効果予測因子の検討
【緒言】手術回避を目的としてAPS療法を希望する症例は進行した関節症を有することも多いが, その効果の程度と予測因子は不明である. 【対象と方法】APS療法を行い6ヶ月以上追跡したKL grade 4の内側型OA 38膝を対象とした. 施行前, 施行後6ヶ月のKOOSを用いたOMERACT-OARSIによる基準にてresponder(R群)とnon-responder(NR群)に分類した. 年齢, 性別, BMI, 立位%MA, FTA, MPTAの群間の比較を行なった. 【結果】R群18膝, NR群20膝であり, 施行後6ヶ月における奏功率は47.4%であった. 群間比較はMPTAのみ有意差...
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Published in | 整形外科と災害外科 Vol. 71; no. 3; pp. 447 - 450 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
西日本整形・災害外科学会
2022
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ISSN | 0037-1033 |
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Summary: | 【緒言】手術回避を目的としてAPS療法を希望する症例は進行した関節症を有することも多いが, その効果の程度と予測因子は不明である. 【対象と方法】APS療法を行い6ヶ月以上追跡したKL grade 4の内側型OA 38膝を対象とした. 施行前, 施行後6ヶ月のKOOSを用いたOMERACT-OARSIによる基準にてresponder(R群)とnon-responder(NR群)に分類した. 年齢, 性別, BMI, 立位%MA, FTA, MPTAの群間の比較を行なった. 【結果】R群18膝, NR群20膝であり, 施行後6ヶ月における奏功率は47.4%であった. 群間比較はMPTAのみ有意差を認め, その平均はR群84.9±3.0度, NR群82.7±2.8度であった. MPTAのR群, NR群に対するカットオフ値は82度であり, MPTA82度以上を治療対象とすることで, 奏功率は56.0%と上昇した. 【結語】脛骨骨形態に着目することで末期OAにおけるAPS療法の奏功率が上がる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 0037-1033 |