実験的骨減少症ラットに対する骨代謝マーカーの検討

はじめに 近年,社会の老齢化に伴い骨粗鬆症が急増し大きな問題になっている.骨粗鬆症の診断としてはQCT法・DEX法・CXD法・超音波法など様々な測定装置が用いられ多くの施設に備え付けられている.治療方法は,カルシウム剤・女性ホルモン・カルシトニンなどの薬剤投与が一般的であるが,運動療法も骨粗鬆症に大きな役割を果たしていると考えられる.今回我々は,実験的骨減少症モデルを作成し1)運動負荷を行い,興味深い結果が得られたので報告する. 実験動物及び方法 SLC社より購入したWistar系♀ラット(8週令,体重160g前後)30匹を3群に分けた.I群10匹は卵巣摘出(OVX)群,II群10匹は健常(N...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 51; no. 2; pp. 274 - 277
Main Authors 谷口典正, 金井成行, 川本正純, 遠藤 宏, 東野英明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2002
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ISSN0037-1033

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Summary:はじめに 近年,社会の老齢化に伴い骨粗鬆症が急増し大きな問題になっている.骨粗鬆症の診断としてはQCT法・DEX法・CXD法・超音波法など様々な測定装置が用いられ多くの施設に備え付けられている.治療方法は,カルシウム剤・女性ホルモン・カルシトニンなどの薬剤投与が一般的であるが,運動療法も骨粗鬆症に大きな役割を果たしていると考えられる.今回我々は,実験的骨減少症モデルを作成し1)運動負荷を行い,興味深い結果が得られたので報告する. 実験動物及び方法 SLC社より購入したWistar系♀ラット(8週令,体重160g前後)30匹を3群に分けた.I群10匹は卵巣摘出(OVX)群,II群10匹は健常(Normal)群,III群10匹は卵巣摘出後(OVX)運動負荷群とした.観察項目 各群の大腿骨の骨塩量を卵巣摘出4週及び16週間後をComputed X-ray absorptiometry(CXD)2)にて測定した.更に,骨吸収代謝産物である尿中デオキシピリジノリン測定3)も同時に行った.また,III群は卵巣摘出4週間目よりTRED MILLを用いて,週二回毎分12.5m/minで60分間,強制運動を行った.
ISSN:0037-1033