環軸椎回旋位固定の1例

「はじめに」斜頚位を呈する疾患の中に環軸椎回旋位固定(以下AARF)がある. これは小児に見られることが多く稀に外来診察時に遭遇することがある. 多くの場合, 早期の適切な保存的治療により治癒し再発は少ないとされている. 今回3D-CTにて早期に診断し保存的治療にて治癒した1症例を経験したので報告する. 「症例」3歳, 男児. 主訴:右頚部痛, 斜頚位. 現病歴:平成11年7月25日上気道炎症状出現. 7月26日右頚部痛出現とともに斜頚位となる. 7月29日当院小児科受診. 投薬のみで経過を見ていたが症状軽減しないため7月31日整形外科受診となる. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現症...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 50; no. 4; pp. 1172 - 1174
Main Authors 金澤和貴, 尾上英俊, 木村一雄, 蔵重芳文, 西尾謙吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 2001
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」斜頚位を呈する疾患の中に環軸椎回旋位固定(以下AARF)がある. これは小児に見られることが多く稀に外来診察時に遭遇することがある. 多くの場合, 早期の適切な保存的治療により治癒し再発は少ないとされている. 今回3D-CTにて早期に診断し保存的治療にて治癒した1症例を経験したので報告する. 「症例」3歳, 男児. 主訴:右頚部痛, 斜頚位. 現病歴:平成11年7月25日上気道炎症状出現. 7月26日右頚部痛出現とともに斜頚位となる. 7月29日当院小児科受診. 投薬のみで経過を見ていたが症状軽減しないため7月31日整形外科受診となる. 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし. 現症:右斜頚位(cock robin position)を呈し, 頚部の可動域は疼痛のため測定不能であった. 頚部周囲に発赤, 腫脹等の炎症所見はなく神経学的にも異常は認めなかった. 体温:37.5℃. 臨床検査所見:WBC 6800/μl, CRP 3.4mg/dl 単純X線:頚椎のアライメントは問題なかったが, 疼痛のため開口位は撮像できなかった(図1).
ISSN:0037-1033