腹腔鏡下マイクロ波凝固療法の生存率と生存率に寄与する因子について

「緒言」肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療として, 経皮的及び腹腔鏡的治療がある. 腹腔鏡的治療は直視下で治療し得る点で, 経皮的治療に比して効果が確実である. この理由から, 当科では腹腔鏡的治療が施行可能なHCCに対して, 1995年より積極的に腹腔鏡的マイクロ波凝固療法を施行してきた1)2). また, マイクロ波凝固療法(MCT)と比較してラジオ波凝固療法(RFA)の方が凝固範囲の広いことより, 当科でも2000年より経皮的及び腹腔鏡的RFAを開始した. 腹腔鏡的治療では, 直視下で等間隔に電極針を刺入して凝固するため, 均一な凝固が可能である. このため, MCTとRFAの治療効...

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Published inJournal of Microwave Surgery Vol. 23; pp. 31 - 34
Main Authors 安田, 隆弘, 遠山, まどか, 藤井, 英樹, 岩井, 秀司, 小林, 佐和子, 田守, 昭博, 河田, 則文, 格谷, 洋和, 羽生, 大記, 関, 守一, 榎本, 大, 武田, 正, 萩原, 淳司, 中山, 祐史, 坂口, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 Microwave Surgery研究会 2005
メディカルレビュー社
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ISSN0917-7728
1882-210X
DOI10.3380/jmicrowavesurg.23.31

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Summary:「緒言」肝細胞癌(HCC)に対する内科的局所治療として, 経皮的及び腹腔鏡的治療がある. 腹腔鏡的治療は直視下で治療し得る点で, 経皮的治療に比して効果が確実である. この理由から, 当科では腹腔鏡的治療が施行可能なHCCに対して, 1995年より積極的に腹腔鏡的マイクロ波凝固療法を施行してきた1)2). また, マイクロ波凝固療法(MCT)と比較してラジオ波凝固療法(RFA)の方が凝固範囲の広いことより, 当科でも2000年より経皮的及び腹腔鏡的RFAを開始した. 腹腔鏡的治療では, 直視下で等間隔に電極針を刺入して凝固するため, 均一な凝固が可能である. このため, MCTとRFAの治療効果に差はないと考えられるが, 超音波誘導下の経皮的治療では均一な凝固が比較的困難であることから, 凝固範囲の広いRFAの方が優れていると考えられる. 以上の理由から, 当科ではHCCの大きさと局在に応じて, 経皮的に治療を行うか, あるいは腹腔鏡的に施行するかを最初に選択するようにしている. 原則として当科における腹腔鏡的治療の適応(表1)に従って治療法を選択するが, 患者の希望も考慮している.
ISSN:0917-7728
1882-210X
DOI:10.3380/jmicrowavesurg.23.31