C型慢性肝炎におけるインターフエロンα-2b・リバビリン併用療法時における副作用モニタリングとリバビリン血清中濃度測定の重要性

緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法は, 約3分の1の患者に根治的な改善効果を示し, 肝癌発現の危険性を低減した画期的な治療法である. しかしその後, C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型が1型(genotype 1a, 1b)であり, かつ高ウイルス量症例はIFNに対して抵抗性を示すことが判明した. わが国のC型慢性肝炎患者のHCV genotypeには, 1b, 2aならびに2bが存在することが明らかとなり, IFN難治例であるgenotype 1bは全患者の約70%であるといわれている1). 海外においてC型慢性肝炎の第一選択療法として位置付けられているIFNと抗ウイ...

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Published in医療薬学 Vol. 30; no. 5; pp. 297 - 304
Main Authors 高橋, 保志, 山本, 明日香, 樋口, 晶文, 唯野, 貢司, 永坂, 敦, 澤崎, 里奈子, 齊藤, 浩司, 後藤, 仁和, 岩井, 新治, 小林, 道也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 10.05.2004
日本医療薬学会
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ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.30.297

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Summary:緒言 C型慢性肝炎に対するインターフェロン(IFN)療法は, 約3分の1の患者に根治的な改善効果を示し, 肝癌発現の危険性を低減した画期的な治療法である. しかしその後, C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子型が1型(genotype 1a, 1b)であり, かつ高ウイルス量症例はIFNに対して抵抗性を示すことが判明した. わが国のC型慢性肝炎患者のHCV genotypeには, 1b, 2aならびに2bが存在することが明らかとなり, IFN難治例であるgenotype 1bは全患者の約70%であるといわれている1). 海外においてC型慢性肝炎の第一選択療法として位置付けられているIFNと抗ウイルス薬リバビリン(Rib)の併用療法は, 2001年12月にわが国においても保険適用となった. 本併用療法は, 日本人に多いHCVのgenotypeが1bであり, かつ高ウイルス量症例に対する有効性がIFN単独療法よりも高いことが報告されている2). 一方, IFN単独療法に比べ, 副作用が増大するとの報告もあり, 新たな副作用などへの注意が必要である2-5).
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.30.297