生食品の化學 (第六報)冷藏中梨果成分の變化

(1) 晩三吉を収穫適期に採集後7°C~15°Cにて300以日上貯藏してその間30日毎に5個宛とつてその可食部分の成分を定量した (2) 貯藏中窒素質物,脂肪,繊維,等の百分率は増加するも其の絶對量は増加するのではない (3) 非還元糖,還元糖,總酸は貯藏減少する是れ恐くはMetabolic activityに要するEnergyの資源として利用せらるるが故である (4) ペクチンの増加は細胞膜間にある不溶性ペクチンが可溶性になることを示すのであつてそれと同時に果肉細胞の接合かくづて肉質柔軟となる (5) 貯藏300日間の水分減量僅かに3%以下にして貯藏200日目頃はPaH價約4に達して甘味を覚...

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Published in日本農芸化学会誌 Vol. 5; no. 12; pp. 963 - 968
Main Authors 近藤, 金助, 伊藤, 俊雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 日本農芸化学会 1929
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ISSN0002-1407
1883-6844
DOI10.1271/nogeikagaku1924.5.963

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Summary:(1) 晩三吉を収穫適期に採集後7°C~15°Cにて300以日上貯藏してその間30日毎に5個宛とつてその可食部分の成分を定量した (2) 貯藏中窒素質物,脂肪,繊維,等の百分率は増加するも其の絶對量は増加するのではない (3) 非還元糖,還元糖,總酸は貯藏減少する是れ恐くはMetabolic activityに要するEnergyの資源として利用せらるるが故である (4) ペクチンの増加は細胞膜間にある不溶性ペクチンが可溶性になることを示すのであつてそれと同時に果肉細胞の接合かくづて肉質柔軟となる (5) 貯藏300日間の水分減量僅かに3%以下にして貯藏200日目頃はPaH價約4に達して甘味を覚えしめ持肉質稍々柔化して味感,風味共に高上する從つて晩三吉は冷藏によつてそのMarketabilityを擴張且つ増進する品種である
ISSN:0002-1407
1883-6844
DOI:10.1271/nogeikagaku1924.5.963