歩行可能な脳性麻痺児に対する選択的脊髄後根切断術後の歩行再獲得日数に影響する因子は何か 術後の一時的な歩行能力低下からの回復日数の調査より

本研究では,脳性麻痺児に対する選択的脊髄後根切断術(SDR)後の歩行能力回復に影響を及ぼす因子について調査した。対象は2021 年から2024 年までの間にSDR を受けた歩行可能な脳性麻痺児30 例であり,切断率,術前の運動能力,手術時の年齢や理学療法の内容などの因子が歩行再獲得までの日数に及ぼす影響を分析した。結果,切断率が高いほど歩行再獲得までの日数が増加し,術前の運動能力評価(GMFM)が高いほど歩行再獲得の日数が減少することが明らかとなった。提供された理学療法は活動を主体とした内容で概ね同程度の頻度,量であった。本研究は,SDR 施術後の歩行を課題とした理学療法の立案に役立つ貴重なデ...

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Published in理学療法 - 臨床・研究・教育 p. 2026-05
Main Authors 白子, 淑江, 阿部, 広和, 花町, 芽生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 公益社団法人 埼玉県理学療法士会 2026
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ISSN1880-893X
1880-8948
DOI10.11350/ptcse.2026-05

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Summary:本研究では,脳性麻痺児に対する選択的脊髄後根切断術(SDR)後の歩行能力回復に影響を及ぼす因子について調査した。対象は2021 年から2024 年までの間にSDR を受けた歩行可能な脳性麻痺児30 例であり,切断率,術前の運動能力,手術時の年齢や理学療法の内容などの因子が歩行再獲得までの日数に及ぼす影響を分析した。結果,切断率が高いほど歩行再獲得までの日数が増加し,術前の運動能力評価(GMFM)が高いほど歩行再獲得の日数が減少することが明らかとなった。提供された理学療法は活動を主体とした内容で概ね同程度の頻度,量であった。本研究は,SDR 施術後の歩行を課題とした理学療法の立案に役立つ貴重なデータを提供している。
ISSN:1880-893X
1880-8948
DOI:10.11350/ptcse.2026-05