きわめて短かい撮像時間によるX線CT画像 6. 肝の良性腫瘍

肝臓の画像診断の最初のステップは, 超音波診断である. 超音波により腫瘤の存在が指摘されたり, 疑われたりしてから, X線CTの依頼となる. 超音波では, 聴診器と同様に利用されるべきだと私は考えている. 特に肝の腫瘤性病変の診断能は非常に高いので, 腫瘤のスクリーニングには最適である. しかしながら, 術者, 被検者の体位, 体格などにより, 得られた画像の客観性が乏しいという欠点がある. X線CTでは, 画質の良悪にもかかわらず, 常に客観性のある画像が提供されることになる. 超高速CTの肝臓描出の利点は, 肝内の血流動態を, routineの画像として常に, 非侵襲的に描出することができ...

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Published in医療 Vol. 48; no. 6; pp. 471 - 475
Main Authors 藤井, 恭一, 花田, 清彦, 櫻木, 博章, 椎名, 丈城, 木村, 真二郎, 谷, 昌尚, 小堀, 鴎一郎, 安達, 秀治, 梅田, 典嗣, 林, 茂樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 国立医療学会 20.06.1994
国立医療学会
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Summary:肝臓の画像診断の最初のステップは, 超音波診断である. 超音波により腫瘤の存在が指摘されたり, 疑われたりしてから, X線CTの依頼となる. 超音波では, 聴診器と同様に利用されるべきだと私は考えている. 特に肝の腫瘤性病変の診断能は非常に高いので, 腫瘤のスクリーニングには最適である. しかしながら, 術者, 被検者の体位, 体格などにより, 得られた画像の客観性が乏しいという欠点がある. X線CTでは, 画質の良悪にもかかわらず, 常に客観性のある画像が提供されることになる. 超高速CTの肝臓描出の利点は, 肝内の血流動態を, routineの画像として常に, 非侵襲的に描出することができることにある. 今回は, 良性肝腫瘍として, 確実に診断可能である肝海綿状血管腫について症例を供覧したい. 肝の良性腫瘍としては, facal nodular hyperplasia, (FNH), liver cell adenoma, regenerative nodular hyperplasia(RNH), adenomatous hyperplasia(AH), bile duet adenoma, Cysticな病変としてsimple hepatic cyst, biliary cyst adenoma myenburg's complex, があり, 間葉系の腫瘤としてcavernous hemangioma, lipomatous tumors(lipoma, angiomyolipoma, myelolipoma)とか, infantile hemangioendothelioma, fibroma, leiomyoma, myxoma, mesenchymal hamartomaなどがある1).
ISSN:0021-1699
1884-8729
DOI:10.11261/iryo1946.48.471