直腸癌の大動脈分岐部再発に対し化学放射線治療後に大動脈合併切除を行った1例

大動脈分岐部リンパ節と肺転移再発をきたした症例に化学放射線治療後に大動脈合併切除を行った症例を経験したので報告する.症例は55歳,女性.主訴は腹痛,血便.直腸癌の診断で腹腔鏡下直腸切除術+リンパ節郭清(D3)を行った.術後6ヵ月目にPET-CTで大動脈分岐部のリンパ節と左肺上葉に再発を認めた.化学放射線治療を行った後,人工血管を用いて血管合併切除を行い,その1ヵ月後に肺転移巣を切除した.2期切除でR0切除となり,Conversion手術を達成した.術後経過は良好であったが,その後縦隔・肺再発をきたし,R0手術より1年9ヵ月で死亡した....

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Published in日本大腸肛門病学会雑誌 Vol. 78; no. 8; pp. 322 - 329
Main Authors 石井 健一, 樫山 基矢, 河島 秀昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本大腸肛門病学会 2025
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ISSN0047-1801
1882-9619
DOI10.3862/jcoloproctology.78.322

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Summary:大動脈分岐部リンパ節と肺転移再発をきたした症例に化学放射線治療後に大動脈合併切除を行った症例を経験したので報告する.症例は55歳,女性.主訴は腹痛,血便.直腸癌の診断で腹腔鏡下直腸切除術+リンパ節郭清(D3)を行った.術後6ヵ月目にPET-CTで大動脈分岐部のリンパ節と左肺上葉に再発を認めた.化学放射線治療を行った後,人工血管を用いて血管合併切除を行い,その1ヵ月後に肺転移巣を切除した.2期切除でR0切除となり,Conversion手術を達成した.術後経過は良好であったが,その後縦隔・肺再発をきたし,R0手術より1年9ヵ月で死亡した.
ISSN:0047-1801
1882-9619
DOI:10.3862/jcoloproctology.78.322