急性心筋梗塞クリニカルパスを導入して 当院の現状と課題
【目的】 当院の心臓リハビリテーション(以下心リハ)は、2006年4月に開設された。2008年1月よりクリニカルパス(以下CP)を作成し活用している。今回、1年間の急性心筋梗塞(以下AMI)後のCPを適応した症例に対して実態調査を行い、CPバリアンス群の原因及びその特徴を明らかにすることにある。 【対象】 08年1月から2009年1月までAMICPで心リハを実施した53例を対象とした。症例は,男性35名、女性 18名,平均年齢は69.81±14歳(39から93歳)であった。 【方法】 これらをCP成功例23名とCPバリアンス群30名の2群に分類し比較検討した。項目は、平均心リハ日数、退院...
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Published in | 九州理学療法士・作業療法士合同学会誌 p. 83 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
九州理学療法士・作業療法士合同学会
2009
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0915-2032 2423-8899 |
DOI | 10.11496/kyushuptot.2009.0.83.0 |
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Summary: | 【目的】 当院の心臓リハビリテーション(以下心リハ)は、2006年4月に開設された。2008年1月よりクリニカルパス(以下CP)を作成し活用している。今回、1年間の急性心筋梗塞(以下AMI)後のCPを適応した症例に対して実態調査を行い、CPバリアンス群の原因及びその特徴を明らかにすることにある。 【対象】 08年1月から2009年1月までAMICPで心リハを実施した53例を対象とした。症例は,男性35名、女性 18名,平均年齢は69.81±14歳(39から93歳)であった。 【方法】 これらをCP成功例23名とCPバリアンス群30名の2群に分類し比較検討した。項目は、平均心リハ日数、退院時移動状態、自宅復帰率に関して行った。退院時移動状態は機能的自立評価法(FIM)を用い、運動項目の階段、歩行にて数値の算出した。またバリアンス群に関しては、原因別を記録より調査した。 【結果】 CP成功群平均年齢64.5±12.7歳、CPバリアンス群平均年齢73.8±13.7歳であり、CPバリアンス群において有意に高齢であった。(P<0.05)平均心リハ日数はCP成功群10.3±3.4日、バリアンス群35.7±31.4日でバリアンス群において有意に延長していた。(P<0.05)退院時移動能力はCP成功群12.9±1.1、バリアンス群9.5±4.1でCP成功群に有意に高い結果となった。(P<0.05)自宅復帰率に関しては、CP成功群96%、バリアンス群77%であった。さらにCPバリアンス群を原因別に分類したところ、多枝病変及び心機能障害合併8例(27%)、整形疾患6例(20%)、廃用症候群5例(17%)、呼吸器疾患2例(7%)、脳血管疾患1例(3%)、その他8例(26%)という結果であった。 【結語】 多枝病変及び心機能障害例、整形疾患例が主なバリアンスの因子であり今後、高齢者のAMI増加に伴い、これらに対するCP作成が極めて重要になると思われる。 |
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Bibliography: | 083 |
ISSN: | 0915-2032 2423-8899 |
DOI: | 10.11496/kyushuptot.2009.0.83.0 |