有機化合物電解還元壓研究(第十六報) p-Aminoazobenzeneの還元壓

• Published in: 日本農芸化学会誌 Vol. 9; no. 2; pp. 207 - 213
• Main Authors: 志方, 益三, 舘, 勇
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本農芸化学会 1933
• ISSN: 0002-1407; 1883-6844
• DOI: 10.1271/nogeikagaku1924.9.207

本報文を要約すれば次の如し. (1) p-Aminoazobenzeneの電解還元壓をポーラログラフ法にて測定す. (2) p-Aminoazobenzeneの還元壓はpHの全範圍を通じて濃度小き方の還元壓は濃度大なる場合より陽なり. (3) p-Aminoazobenzeneは弱鹽基なるを以て酸性の場合,解離分子,非解離分子各々の還元を示す以外に酸の濃度大なる場合はaminoazobenzeneはquinoid型の構造に變じ,その解離及非解離分子夫々の還元を示すことを分光化學的研究を以て推論せり.而してquinoid型はazoid型より,又夫々のイオン形に比し陽なる還元壓を有す. (4) AzobenzeneにNH2基の置換したるp-aminoazobenzeneの還元壓は著者の陰性律に從ひ,前者より陰に傾く(分子形に於て). (5) p-Aminoazobenzeneの溶解度をポーラログラフ法に依り決定せしに25°C 2.815×10-4 g.mol/Lなり.