自然言語処理技術を用いたクラウドソーシングアイデアの有望性予測 レシピ投稿サイトにおける探索的研究

クラウドソーシングを利用した製品開発によって,高い市場性をもつ製品が生み出されることが実証されている一方,収集した多量のユーザー創出アイデアを評価し,有望なものを選ぶことは大きな負担になっている。本研究では,自然言語処理を用いることによって,ユーザー創出アイデアの評価の機械化を行った。創造性研究に立脚して,クラウドから集めたアイデア全体から概念空間を構成し,そこでの出現頻度の少なさから意見の希少性を算出することで,独創性を機械的に測定する手法を構築した。レシピ投稿のデータに対して手法を適用したところ,機械的に測定された独創性は,レシピの有望性の説明に有効性を持つことが示された。本研究で構築した...

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Published inマーケティングジャーナル Vol. 40; no. 3; pp. 31 - 44
Main Authors 本條, 晴一郎, 伊藤, 友博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本マーケティング学会 07.01.2021
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ISSN0389-7265
2188-1669
DOI10.7222/marketing.2021.005

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Summary:クラウドソーシングを利用した製品開発によって,高い市場性をもつ製品が生み出されることが実証されている一方,収集した多量のユーザー創出アイデアを評価し,有望なものを選ぶことは大きな負担になっている。本研究では,自然言語処理を用いることによって,ユーザー創出アイデアの評価の機械化を行った。創造性研究に立脚して,クラウドから集めたアイデア全体から概念空間を構成し,そこでの出現頻度の少なさから意見の希少性を算出することで,独創性を機械的に測定する手法を構築した。レシピ投稿のデータに対して手法を適用したところ,機械的に測定された独創性は,レシピの有望性の説明に有効性を持つことが示された。本研究で構築した手法によって,アイデア評価が機械化されたのみならず,従来顧みられなかった大多数の不採用アイデアに,概念空間を構成する材料という新たな役割と,研究対象としての位置づけが与えられた。
ISSN:0389-7265
2188-1669
DOI:10.7222/marketing.2021.005