区間の順序関係とその最短経路問題への応用

本論文では, 石渕らによって区間をその中心, 幅, 左端および右端を用いて順序付けを行った定義を拡張し, 全順序と半順序との度合ともいうべきパラメータと, 意思決定者の選好を区間の期待値と最悪の場合との配分割合として反映させるパラメータを導入して, 区間の順序付けを定義する.この定義により, 多数の区間を比較する場合にパラメータの設定に応じて互いに比較できない区間の個数を増減させることが可能となる.更に, 意思決定者が最悪の場合は回避したいという選考や, とにかく期待値の大きい方を選択したいという選好をパラメータの設定によって単一の順序関係の定義で行うことが可能である.この定義を節点間の辺が悲...

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Published in日本ファジィ学会誌 Vol. 6; no. 6; pp. 1182 - 1192
Main Authors 玄, 光男, 岡田, 真幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本知能情報ファジィ学会 15.12.1994
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ISSN0915-647X
2432-9932
DOI10.3156/jfuzzy.6.6_1182

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Summary:本論文では, 石渕らによって区間をその中心, 幅, 左端および右端を用いて順序付けを行った定義を拡張し, 全順序と半順序との度合ともいうべきパラメータと, 意思決定者の選好を区間の期待値と最悪の場合との配分割合として反映させるパラメータを導入して, 区間の順序付けを定義する.この定義により, 多数の区間を比較する場合にパラメータの設定に応じて互いに比較できない区間の個数を増減させることが可能となる.更に, 意思決定者が最悪の場合は回避したいという選考や, とにかく期待値の大きい方を選択したいという選好をパラメータの設定によって単一の順序関係の定義で行うことが可能である.この定義を節点間の辺が悲観値と楽観値を組み合せた区間で表現された最短経路問題に応用する.解法として, Dijkstra法を拡張し, 複数の非優越である極小の区間で表現された長さとその経路を求める解法を提案する.求められた複数の解は, 候補として意思決定者に提示され, 意思決定者の判断により取捨選択される.更に, 意思決定者の選好に応じてパラメータを設定することで得られる解の個数を増減させることが可能となる.この解法を大規模な数値例に適用し, 有効性を示す.
ISSN:0915-647X
2432-9932
DOI:10.3156/jfuzzy.6.6_1182