小形工具による大口径ウエハの形状修正研磨 第2報:ポリシャ平坦度の加工精度への影響とポリシャ劣化の抑制

半導体デバイスの高集積化に伴い,直径300mmのシリコンウエハ表面に要求される平坦度はますます厳しくなっている.大口径ウエハの平坦化技術として,高精度な修正研磨が可能な揺動速度制御型の枚葉式CMP装置が開発されているが,小径ポリシャを使用するこの研磨方式ではポリシャ平坦度や表面状態などのポリシャコンディションがシミュレーションと加工形状との一致に大きく影響する.本報では,ポリシャ平坦度の加工精度への影響とポリシャ劣化の進行を抑制する方法について検討した.揺動速度制御型研磨装置による等速揺動研磨実験より,ポリシャ平坦度が5μm以下で理論と実験はよく一致することを示した.また,ポリシャ表面の劣化状...

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Published in砥粒加工学会誌 Vol. 53; no. 2; pp. 94 - 98
Main Authors 吉冨, 健一郎, 宇根, 篤暢, 餅田, 正秋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 01.02.2009
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Summary:半導体デバイスの高集積化に伴い,直径300mmのシリコンウエハ表面に要求される平坦度はますます厳しくなっている.大口径ウエハの平坦化技術として,高精度な修正研磨が可能な揺動速度制御型の枚葉式CMP装置が開発されているが,小径ポリシャを使用するこの研磨方式ではポリシャ平坦度や表面状態などのポリシャコンディションがシミュレーションと加工形状との一致に大きく影響する.本報では,ポリシャ平坦度の加工精度への影響とポリシャ劣化の進行を抑制する方法について検討した.揺動速度制御型研磨装置による等速揺動研磨実験より,ポリシャ平坦度が5μm以下で理論と実験はよく一致することを示した.また,ポリシャ表面の劣化状態をポリシャ全面で均一にするために,ポリシャ上の走行距離が一様になる条件をシミュレーションにより計算した.円盤状工具では正回転・同回転数の条件,外径:内径が2:1の環状工具では逆回転時の条件で走行距離の変動が小さいこと,および最適揺動制御が走行距離に与える影響は小さいことを明らかにした.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.53.94