頭蓋下顎障害者の手指圧による圧痛検査の段階区分数に関する研究
今回我々は, 頭蓋下顎障害患者における手指による圧痛検査の圧痛値を従来の2ないし4段階よりもさらに細かくした場合の効果について検討を加えたので報告する。168名の患者の生活指導療法を主体とした治療の前と終診時の圧痛を6段階に測定したデータをもとに, 2段階, 4段階, 6段階の各場合について分析したところ, 経時的な変化を示す変化率には統計学的な有意差が認められ, 段階を細かくするにつれて変化率が大きく表現されることが明らかとなった。また, 各患者で同一時に測定された各分類段階間の圧痛総和には強い相関を認めた。しかし, 治療前と治療終期における各条件間の圧痛総和の単回帰による相関係数は0.52...
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Published in | TMJ : journal of Japanese Society for Temporomandibular Joint : 日本顎関節学会雑誌 Vol. 12; no. 2; pp. 253 - 258 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本顎関節学会
20.09.2000
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Subjects | |
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ISSN | 0915-3004 1884-4308 |
DOI | 10.11246/gakukansetsu1989.12.253 |
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Summary: | 今回我々は, 頭蓋下顎障害患者における手指による圧痛検査の圧痛値を従来の2ないし4段階よりもさらに細かくした場合の効果について検討を加えたので報告する。168名の患者の生活指導療法を主体とした治療の前と終診時の圧痛を6段階に測定したデータをもとに, 2段階, 4段階, 6段階の各場合について分析したところ, 経時的な変化を示す変化率には統計学的な有意差が認められ, 段階を細かくするにつれて変化率が大きく表現されることが明らかとなった。また, 各患者で同一時に測定された各分類段階間の圧痛総和には強い相関を認めた。しかし, 治療前と治療終期における各条件間の圧痛総和の単回帰による相関係数は0.527-0.600で, 段階を細かくしても相関係数に差は認められなかった。これらから, 段階に分けることは変化を観察するには有効であるが, 治療前の圧痛から治療終期の圧痛を推定するには単回帰分析では無効であることが示唆された。 |
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ISSN: | 0915-3004 1884-4308 |
DOI: | 10.11246/gakukansetsu1989.12.253 |