人工膝関節全置換術患者の術前から術後早期の移動能力の変化に関する因子

• Published in: 理学療法科学 Vol. 39; no. 3; pp. 131 - 138
• Main Authors: 金子, 真弓, 椎木, 栄一, 田中, 浩, 村田, 和弘, 後藤, 純信
• Format: Journal Article
• Language: English
• Published: 理学療法科学学会 2024
• Subjects: Timed Up & Go Test; 変形性膝関節症; 膝関節伸展筋力
• ISSN: 1341-1667; 2434-2807
• DOI: 10.1589/rika.39.131

〔目的〕人工膝関節全置換術患者の術前から術後早期の移動能力の変化に関する因子を検討した．〔対象と方法〕変形性膝関節症により片側人工膝関節全置換術を行った患者79名を対象に，術前から術後14日のTimed Up & Go Test（TUG）の変化量と，術前の膝関節痛，膝関節筋力，膝関節可動域，血液生化学所見，血圧値の関連を分析した．〔結果〕TUGの変化量は，術前術側膝伸展筋力と有意な負の相関を認め，術前術側膝伸展筋力が高いほど移動能力の改善が悪かった．術前術側膝伸展筋力が高いほど術前から術後14日の術側膝伸展筋力低下量が大きく，移動能力の低下につながった可能性が考えられた．〔結語〕術前の術側膝伸展筋力が高い場合にも，術後早期の膝伸展筋力や移動能力の低下が大きいことを考慮した支援の必要性が示唆された．