ウォーキングイベントでの活動報告と今後の課題についての検討 人工関節置換術施行者および一般参加者に対する理学療法士の関わり

【はじめに】人工関節置換術施行者(Pt)とともにウォーキングイベント(イベント)に参加しその状況と合わせて、同イベントで実施した健康相談ブース(ブース)での理学療法士(PT)の関わりについて報告する。また、同時に実施したアンケート結果から、PTとして余暇スポーツ参加者に対する今後の課題を検討した。 【内容と結果】イベント参加者は当院で手術を受けた10名(男性2名、女性8名)で、平均年齢70.9±3.6歳(65~76歳)であった。人工膝関節全置換術3名、単顆関節置換術5名、人工股関節全置換術2名で術後平均経過日数は351.4±388.5日(51~1152日)であった。参加した医療スタッフは、医師...

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Published in関東甲信越ブロック理学療法士学会 p. 64
Main Authors 美崎, 定也, 正木, 創平, 中川, 直彦, 杉本, 和隆, 尾形, 知宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会 2007
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ISSN0916-9946
2187-123X
DOI10.14901/ptkanbloc.26.0.64.0

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Summary:【はじめに】人工関節置換術施行者(Pt)とともにウォーキングイベント(イベント)に参加しその状況と合わせて、同イベントで実施した健康相談ブース(ブース)での理学療法士(PT)の関わりについて報告する。また、同時に実施したアンケート結果から、PTとして余暇スポーツ参加者に対する今後の課題を検討した。 【内容と結果】イベント参加者は当院で手術を受けた10名(男性2名、女性8名)で、平均年齢70.9±3.6歳(65~76歳)であった。人工膝関節全置換術3名、単顆関節置換術5名、人工股関節全置換術2名で術後平均経過日数は351.4±388.5日(51~1152日)であった。参加した医療スタッフは、医師2名、看護師1名、義肢装具士1名、PT3名であり、Ptとともに既定のコース(5km)を90分かけて完歩した。途中休憩所でPTがセルフマッサージ、ストレッチを指導し、ゴール後はケアの方法を説明した。なお、Pt全員に疼痛、違和感等みられなかった。一般参加者を対象としたブースでは、大腿四頭筋を中心とした下肢の筋力トレーニング、ストレッチ等を記載したパンフレットを配布し、医師とともに運動指導を行なった。また、疼痛や日常生活に関連したアンケートを実施した。なお、アンケート実施にあたり、対象には趣旨を説明し、あらかじめ同意を得た。アンケートは、315名から回答が得られた。膝、股関節の疼痛、機能に関する10項目のいずれかに当てはまる者を疼痛群(201名)、それ以外を無痛群(114名)の2群に分けて集計した結果(疼痛群/無痛群)、それぞれの群内において、運動習慣あり171名(85.1%)/102名(89.5%)、関節に不安を感じる99名(49.3%)/24名(21.1%)、ケアに関心あり107名(53.2%)/44名(38.6%)、運動を続けたい161名(80.1%)/94名(82.5%)であった。 【考察とまとめ】今回イベントに参加し、Ptから完歩できたことに対する喜びと驚きの声が聞かれた。PtのリハビリテーションはADLの維持だけでなく、余暇スポーツへの参加等の、より活動性の高い目標を挙げることが可能である。また、一般参加者の中でも不安を抱えて運動をしている方、無痛でもケアの方法に興味のある方が多数いることがわかり、今後は予防医学の視点に立ち、そうしたニーズを叶えるよう取り組んでいく必要があると考えられる。
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ISSN:0916-9946
2187-123X
DOI:10.14901/ptkanbloc.26.0.64.0