抗結核薬による無顆粒球症の検討 4症例の提示と文献的考察

981~2002年当院入院新規結核患者約6, 400例 (ほぼ全例治療初期は標準治療施行) のうち抗結核薬による無顆粒球症 (うち1例は汎血球減少症) を4例 (男性2例, 女性2例) 認めた (0.06%) 。2例はRFP, 1例はPZAまたはアロプリノール, 1例はRFP, INH, SMのいずれかが原因と思われた。文献上, first line抗結核薬による無顆粒球症は10例認められたが, ほとんどの場合INHが原因薬剤であり, RFPを原因薬剤とする報告はなかった。抗結核薬による無顆粒球症は女性に多く (男性5例, 女性8例), 化療開始1~3カ月後に発症しやすく, 骨髄低形成となり,...

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Published in結核 Vol. 78; no. 11; pp. 683 - 689
Main Authors 赤川, 志のぶ, 宍戸, 雄一郎, 小松, 彦太郎, 長山, 直弘, 田村, 厚久, 益田, 公彦, 永井, 英明, 四元, 秀毅, 馬場, 基男, 倉島, 篤行, 町田, 和子, 川辺, 芳子
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 一般社団法人 日本結核病学会 15.11.2003
Subjects
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ISSN0022-9776
1884-2410
DOI10.11400/kekkaku1923.78.683

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Summary:981~2002年当院入院新規結核患者約6, 400例 (ほぼ全例治療初期は標準治療施行) のうち抗結核薬による無顆粒球症 (うち1例は汎血球減少症) を4例 (男性2例, 女性2例) 認めた (0.06%) 。2例はRFP, 1例はPZAまたはアロプリノール, 1例はRFP, INH, SMのいずれかが原因と思われた。文献上, first line抗結核薬による無顆粒球症は10例認められたが, ほとんどの場合INHが原因薬剤であり, RFPを原因薬剤とする報告はなかった。抗結核薬による無顆粒球症は女性に多く (男性5例, 女性8例), 化療開始1~3カ月後に発症しやすく, 骨髄低形成となり, 全身発赤, 好酸球増多症, 薬剤性肝炎等を伴うことがあり, 骨髄抑制の機序としてはアレルギー性が考えられた。治療としてはステロイド剤やG-CSF製剤が奏効するが自然経過でも改善の見られることがある。また無穎粒球症の際に末梢リンパ球数は減少しなかった。
ISSN:0022-9776
1884-2410
DOI:10.11400/kekkaku1923.78.683