塞栓術が奏効した脾動脈瘤の1治験例

今回われわれは, 肝硬変症患者の血管造影により, 巨大な脾動脈瘤を発見し, 金属コイルにより脾動脈塞栓術を行いその破裂を予防しえた. 症例は40歳の男性で, 腹腔動脈造影では, 脾動脈根部に直径3cmの脾動脈瘤がみられた.そこで, 脾動脈瘤の破裂を予防すべく血管造影下に脾動脈塞栓術を行うこととした. 脾動脈塞栓術: 経カテーテル的に動脈瘤の遠位と近位に直径8mmのアンギオコイル®を留置し動脈瘤への血流の阻止に成功した.術後経過は順調であった. この症例を報告するとともに, 脾動脈瘤の成因, interventional radiologyによる治療などについて, 若干の文献的考察を加えた....

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Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 23; no. 10; pp. 2420 - 2424
Main Authors 坂本, 力, 小倉, 伸一, 藤村, 昌樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 1990
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.23.2420

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Summary:今回われわれは, 肝硬変症患者の血管造影により, 巨大な脾動脈瘤を発見し, 金属コイルにより脾動脈塞栓術を行いその破裂を予防しえた. 症例は40歳の男性で, 腹腔動脈造影では, 脾動脈根部に直径3cmの脾動脈瘤がみられた.そこで, 脾動脈瘤の破裂を予防すべく血管造影下に脾動脈塞栓術を行うこととした. 脾動脈塞栓術: 経カテーテル的に動脈瘤の遠位と近位に直径8mmのアンギオコイル®を留置し動脈瘤への血流の阻止に成功した.術後経過は順調であった. この症例を報告するとともに, 脾動脈瘤の成因, interventional radiologyによる治療などについて, 若干の文献的考察を加えた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.23.2420