肝門部胆管癌の肝切除例の検討

肝門部胆管癌は胆道癌の中でも外科的治療が困難である.しかし近年胆嚢胆管切除や肝切除を加えることにより切除例が増加し,治療成績も向上しつつある.われわれも肝切除により切除し得た肝門部胆管癌4症例を経験したのでその問題点につき格討し報告する.肝門部胆管症例は8例であり,切除例4例,非切除例3例,非手術例1例であった.全例黄疸を主訴とし,PTC,ERCPにて診断した.切除例の4例中3例は術前PTC-D,Soupault外瘻により減黄し根治術を施行した.また非切除例3例のうち1例はLongmire手術,2例はSoupault外瘻術を行い,非手術例の1例はPTC-Dを施行した.切除例4例の手術術式は全例...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 15; no. 10; pp. 1568 - 1571
Main Authors 前川, 和彦, 佐藤, 光史, 大場, 正己, 吉田, 宗紀, 大宮, 東生, 内田, 久則, 阿曽, 弘一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.10.1982
一般社団法人日本消化器外科学会
The Japanese Society of Gastroenterological Surgery
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.15.1568

Cover

More Information
Summary:肝門部胆管癌は胆道癌の中でも外科的治療が困難である.しかし近年胆嚢胆管切除や肝切除を加えることにより切除例が増加し,治療成績も向上しつつある.われわれも肝切除により切除し得た肝門部胆管癌4症例を経験したのでその問題点につき格討し報告する.肝門部胆管症例は8例であり,切除例4例,非切除例3例,非手術例1例であった.全例黄疸を主訴とし,PTC,ERCPにて診断した.切除例の4例中3例は術前PTC-D,Soupault外瘻により減黄し根治術を施行した.また非切除例3例のうち1例はLongmire手術,2例はSoupault外瘻術を行い,非手術例の1例はPTC-Dを施行した.切除例4例の手術術式は全例肝切除を行い,3例は拡大右葉切除,1例は左葉全切除にて切除し得た(表1).これらの4例を胆道癌外科取扱い規約にのっとって検討してみると表2のごとくであった.これらのうち2症例(症例2,症例3)を供覧する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.15.1568