新生児の体外循環 ―新鮮凍結血漿投与のタイミングと量についての検討

「要旨」 新生児体外循環では低体温や長時間CPBおよび凝固因子の希釈などにより, CPB中はACTが延長し, ヘパリンの投与基準が不明瞭になり, CPB後は止血に難渋する. 今回, 新鮮凍結血漿の投与のタイミングおよび量について検討した. FFP 1単位をCPB開始後に投与した21例をstart群, declamp前後~weaning前に投与した10例をdeclamp群とした. start群でACTは60~120分で有意に短く, ヘパリン追加量は有意に多かった. 総蛋白は30分, 120分で有意に高かった. D-dimerは両群ともMUF前で有意に上昇した. アンチトロンビンIIIは5分, 3...

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Published in体外循環技術 Vol. 40; no. 1; pp. 41 - 46
Main Authors 岩城秀平, 桑原靖之, 花田卓哉, 小林有紀枝, 山本泰伸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.03.2013
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」 新生児体外循環では低体温や長時間CPBおよび凝固因子の希釈などにより, CPB中はACTが延長し, ヘパリンの投与基準が不明瞭になり, CPB後は止血に難渋する. 今回, 新鮮凍結血漿の投与のタイミングおよび量について検討した. FFP 1単位をCPB開始後に投与した21例をstart群, declamp前後~weaning前に投与した10例をdeclamp群とした. start群でACTは60~120分で有意に短く, ヘパリン追加量は有意に多かった. 総蛋白は30分, 120分で有意に高かった. D-dimerは両群ともMUF前で有意に上昇した. アンチトロンビンIIIは5分, 30分, 60分, 120分でstart群が有意に高く, フィブリノゲンは30分, 60分, 120分でstart群が有意に高かった. AT III, フィブリノゲンともにstart群では5分からFFP投与後の30分で有意に上昇し, 60分, 120分, MUF前と有意な低下はなく, CPB前とMUF後ではMUF後が有意に高かった.
ISSN:0912-2664