当施設における禁煙支援の検討 公立学校共済組合の禁煙サポートを通して

〈はじめに〉当施設では,平成17年度より公立学校共済組合との委託契約による禁煙サポートを行っており,これまでの3年間の取り組みをまとめた結果を報告する。 〈対象と方法〉平成17~19年度に禁煙サポートを実施した62名の年齢は,26歳~59歳(平均年齢43.8歳),ブリンクマン指数の平均557.7,ニコチン依存症のスクリーニングテスト(以下TDS)の平均6.03であった。この62名のうち,サポート中に禁煙を断念した5名を除く57名に,質問紙調査を行った。質問紙調査の内容は,禁煙継続状況・禁煙達成の理由・再喫煙の理由・喫煙欲求・禁煙のメリットとデメリット・現在の体重である。質問紙調査の結果から禁煙...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 134
Main Author 三浦, 美樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.134.0

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Summary:〈はじめに〉当施設では,平成17年度より公立学校共済組合との委託契約による禁煙サポートを行っており,これまでの3年間の取り組みをまとめた結果を報告する。 〈対象と方法〉平成17~19年度に禁煙サポートを実施した62名の年齢は,26歳~59歳(平均年齢43.8歳),ブリンクマン指数の平均557.7,ニコチン依存症のスクリーニングテスト(以下TDS)の平均6.03であった。この62名のうち,サポート中に禁煙を断念した5名を除く57名に,質問紙調査を行った。質問紙調査の内容は,禁煙継続状況・禁煙達成の理由・再喫煙の理由・喫煙欲求・禁煙のメリットとデメリット・現在の体重である。質問紙調査の結果から禁煙成功群と失敗群に分け,年齢・ブリンクマン指数・TDS・CO 濃度の差の有無と,サポート前後の個人毎の体重の変化について比較する。 〈結果及び考察〉62名中現在も禁煙中26名(禁煙成功率42.0%),喫煙中25名(40.3%),再禁煙中2名(3.2%),未把握9名(14.5%)という結果であった。禁煙成功群と失敗群を年齢・ブリンクマン指数・TDS・CO 濃度とサポート前後の個人毎の体重の変化について比較したが,禁煙継続群の体重増加以外は,いずれも有意差は見られなかった。質問紙調査の結果,禁煙達成の理由は,「ニコチンパッチの効果」が最も多く,再喫煙の理由は「飲み会の席」が最も多かった。再喫煙の時期については禁煙サポート終了直後から1か月以内が最も多かった。禁煙サポートの意見や要望には,禁煙成功の喜びの声とともに,「公的機関によるサポートが必要」「教職員の禁煙教育を進めてほしい」「多くの人にサポートの存在を知らせてほしい」等の意見を聞くことができた。 〈結論〉今回の結果,明らかな有意差は見られなかったが,質問紙調査にて,禁煙サポート期間中は禁煙できたが,その直後から1か月以内の再喫煙が最も多く,この時期の継続的フォローが行える支援体制強化の必要性を感じた。ニコチンパッチの市販化など,禁煙サポートの状況も変化してきた。今後も利用者の意見に耳を傾け,禁煙支援のさらなる充実を図りたい。
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ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.134.0