術中に超音波乳化吸引術から水晶体嚢外摘出術へ術式変更した チン小帯脆弱症例の手術成績
チン小帯脆弱症例では超音波乳化吸引術(phacoemulsification:PEA)の継続が困難になり,術中に水晶体嚢外摘出術(extracapsular cataract extraction:ECCE)への術式変更が必要な場合がある.本検討ではもともとのチン小帯脆弱のために術中にPEA からECCEへ術式変更をした7 例7 眼について症例集積研究を行った.術式変更理由は核硬化と水晶体動揺の程度から前嚢切開前の前嚢染色後にPEA 困難と判断した症例が1 眼,PEA を開始したがPEA 中の水晶体嚢の安定性が不十分だった症例が4 眼,水晶体嚢の安定性は十分だが核硬化が強かった症例が2 眼だっ...
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Published in | 岩手医学雑誌 Vol. 77; no. 2; pp. 45 - 53 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
岩手医学会
01.08.2025
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ISSN | 0021-3284 2434-0855 |
DOI | 10.24750/iwateishi.77.2_45 |
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Summary: | チン小帯脆弱症例では超音波乳化吸引術(phacoemulsification:PEA)の継続が困難になり,術中に水晶体嚢外摘出術(extracapsular cataract extraction:ECCE)への術式変更が必要な場合がある.本検討ではもともとのチン小帯脆弱のために術中にPEA からECCEへ術式変更をした7 例7 眼について症例集積研究を行った.術式変更理由は核硬化と水晶体動揺の程度から前嚢切開前の前嚢染色後にPEA 困難と判断した症例が1 眼,PEA を開始したがPEA 中の水晶体嚢の安定性が不十分だった症例が4 眼,水晶体嚢の安定性は十分だが核硬化が強かった症例が2 眼だった.眼内レンズ(IOL)縫着は術前に水晶体動揺を認めた4 眼に行われ,術中にチン小帯脆弱が判明した3 眼では嚢内固定が可能だった. IOL縫着中に駆逐性出血が1 眼に生じた.駆逐性出血症例と近視性網脈絡膜萎縮で視力不良の症例を除き,5 眼で術後視力改善が得られた.PEA からECCE へ術式変更する方法は小切開創で手術可能な点で有用であり,PEA 継続のためには水晶体嚢支持の維持が重要と考えられた. |
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ISSN: | 0021-3284 2434-0855 |
DOI: | 10.24750/iwateishi.77.2_45 |