日本の高齢一般住民の 前駆期パーキンソン病における栄養特性

栄養はパーキンソン病(PD)の環境的危険因子としてよく知られている.本研究は栄養特性とPD前駆期との関係を明らかにすることを目的とした.高齢住民を対象とし,prodromal PD(PPD)の検出にprobability of PPD(PPP) およびmild parkinsoniansign(MPS)用いた.栄養は自記記入式食物摂取頻度調査票を用い,総エネルギー,三大栄養素(脂質,蛋白質,炭水化物),ビタミンB 群,水分,食物繊維摂取量を算出した.305 人の被験者のうちPPP ≧ 0.3 は4.1%,MPS 陽性率は21.0%であった.PPP ≧ 0.3 群は脂肪摂取量が有意に多く,炭水化...

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Published in岩手医学雑誌 Vol. 76; no. 3; pp. 75 - 85
Main Authors 山口, 隆, 野崎, 亮太, 田口, 啓太, 高橋, 健太, 岩岡, 和博, 佐藤, 裕里子, 寺内, 貴廣, 赤坂, 博, 石塚, 直樹, 前田, 哲也
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 岩手医学会 01.08.2024
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Summary:栄養はパーキンソン病(PD)の環境的危険因子としてよく知られている.本研究は栄養特性とPD前駆期との関係を明らかにすることを目的とした.高齢住民を対象とし,prodromal PD(PPD)の検出にprobability of PPD(PPP) およびmild parkinsoniansign(MPS)用いた.栄養は自記記入式食物摂取頻度調査票を用い,総エネルギー,三大栄養素(脂質,蛋白質,炭水化物),ビタミンB 群,水分,食物繊維摂取量を算出した.305 人の被験者のうちPPP ≧ 0.3 は4.1%,MPS 陽性率は21.0%であった.PPP ≧ 0.3 群は脂肪摂取量が有意に多く,炭水化物摂取量が少なかった.MPS 陽性者は総エネルギー摂取量が少なかった.高齢者ではPPD の有無により栄養特性が異なっており,栄養特性の違いが高齢者におけるPPD リスクと関連している可能性が示唆された.
ISSN:0021-3284
2434-0855
DOI:10.24750/iwateishi.76.3_75