排泄援助の統一への取り組み 当病棟看護師へ意識調査を実施して

はじめに<BR> 当病棟における看護は、主に受傷直後の急性期と、回復期であるリハビリ期で構成されている。<BR>リハビリ期にあり、ADL能力が低下した患者の援助を行なう中で、病棟内における排泄動作が有効なリハビリであると考えた。<BR>しかし、排泄援助に対するケアプランがない現在、看護師によって援助方法に個人差があり、有効なリハビリとなっていないのではないかと感じた。<BR>そこで今回、アンケート調査にて当病棟における看護師の排泄援助の問題点を明らかにした。また、機能的自立度評価法(以下FIM。今回は排泄援助に関するもののみを抽出)の導入をし、排泄援助の統一を試みたのでここに報告する。<BR>...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 103
Main Authors 各務, 樹里, 水本, 奈々恵, 伊藤, 明子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2008
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.57.0.103.0

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Summary:はじめに<BR> 当病棟における看護は、主に受傷直後の急性期と、回復期であるリハビリ期で構成されている。<BR>リハビリ期にあり、ADL能力が低下した患者の援助を行なう中で、病棟内における排泄動作が有効なリハビリであると考えた。<BR>しかし、排泄援助に対するケアプランがない現在、看護師によって援助方法に個人差があり、有効なリハビリとなっていないのではないかと感じた。<BR>そこで今回、アンケート調査にて当病棟における看護師の排泄援助の問題点を明らかにした。また、機能的自立度評価法(以下FIM。今回は排泄援助に関するもののみを抽出)の導入をし、排泄援助の統一を試みたのでここに報告する。<BR>用語の定義<BR>排泄援助:移乗・移動・トイレ移乗・トイレ動作の全てを含む。      今回、車椅子を使って排泄行為を行うものと限定した。<BR>_I_.対象・方法<BR>   当病棟看護師 22名<BR> 2007年7月 FIM勉強会の実施<BR>      FIM導入前のアンケート調査<BR>2007年8月~11月 FIMの導入<BR>独自のフローチャートを用いて毎日評価する。<BR> 2007年12月 FIM導入後のアンケート調査 <BR>                                                                              _II_.結果と考察<BR>  FIM導前のアンケート結果から36%の看護師が排泄援助に満足しておらず、その援助方法に大きなばらつきがあることが明らかとなった。<BR> これは車椅子を使って排泄行為を行なうという共通認識があっても、「している排泄援助」を評価するものがないためと考えられる。そのため、同じ患者に対して看護師の判断基準に個人差があり、患者の排泄能力に対して正しい判断が出来ず、援助方法にばらつきが生じたと考えられる。<BR>FIM導入後、看護師の満足度は上がったが、看護師の排泄援助方法にばらつきがあり、また、フローチャートのFIMの点数と、実際の排泄援助方法にも誤差がみられた。このことから、まだ看護師の患者の排泄援助の判断基準に個人差があるといえる。<BR> 先行研究でも、FIMの採点に伴う看護師の不一致率について報告されており、その理由として、患者の「しているADL」の情報不足と「出来るであろうADL」との食い違い、看護師のFIM採点方法理解不足をあげており、当病棟においても同様の結果が得られた。<BR> FIMは「しているADL」を評価するとともに、リハ看護の取り組みの評価とも言われている。<BR>今回有効な結果を得ることは出来なかったが、「排泄援助の振り返りができる」「過剰な援助に気づける」との意見が聞かれ、排泄援助に対する意識は高まったといえる。<BR> _III_.結論<BR>1)「している排泄援助」を評価していないため、排泄援助の統一が出来ていなかった。<BR> 2)今回の導入方法では、排泄援助の統一は図れなかったが、排泄行為に対する意識度は高まった。<BR>
Bibliography:1F055
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.57.0.103.0