佐久肥満克服プログラム 食事・運動指導における行動変容と体重・腹囲変化の評価

〈目的〉2008年4月から,メタボリックシンドロームの概 念を取り入れた特定健診・特定保健指導が始まった。この 保健指導では,対象者に行動変容を促し,減量効果を出す ことが求められている。今回,食行動や身体活動に関する 行動変容の状況と体重減少や,腹囲の変化との関連性につ いて検討した。 〈方法〉佐久総合病院人間ドック受診者BMI28.3以上に 該当する976名の中から同意を得た235名について保健指導 (介入)を1年目に実施するA 群116名と2年目に実施す るB 群119名を無作為に割り付けた。介入期間中,3ヶ月 ごとの医師による問診,管理栄養士,健康運動指導士によ る個別の栄養教育,運動...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 361
Main Authors 森田, 明美, 柳沢, 素子, 出野, 健明, 渡邊, 昌, 柳沢, 和也, 饗場, 直美, 盛岡, 正博, 萩原, いづみ
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2009
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.58.0.361.0

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Summary:〈目的〉2008年4月から,メタボリックシンドロームの概 念を取り入れた特定健診・特定保健指導が始まった。この 保健指導では,対象者に行動変容を促し,減量効果を出す ことが求められている。今回,食行動や身体活動に関する 行動変容の状況と体重減少や,腹囲の変化との関連性につ いて検討した。 〈方法〉佐久総合病院人間ドック受診者BMI28.3以上に 該当する976名の中から同意を得た235名について保健指導 (介入)を1年目に実施するA 群116名と2年目に実施す るB 群119名を無作為に割り付けた。介入期間中,3ヶ月 ごとの医師による問診,管理栄養士,健康運動指導士によ る個別の栄養教育,運動指導と各種指標の測定を行なっ た。また介入前と介入1年後に食行動アンケートを実施し た。栄養教育では,減量にあたり,対象者自身が問題を把 握し,減量目標を設定し,行動できるよう指導に努めた。 今回はA 群について介入前と介入後1年で行動変容ス テージ,体重・腹囲を比較した。 〈結果〉A 群介入後の身体状況の変化については,平均し て,体重は男性5kg,女性4kg,腹囲は男性4.0cm,女 性4.2cm の減少を認めた。行動変容ステージの割合を, 介入前と介入後で比較すると,実行期以上は25.3%から 77.2%に増加していた。1年後の行動変容ステージが,準 備期以下の人は体重変化が+0.4kg だったのに対し,実行 期以上の人は-5.5kg と有意な体重減少を認めた。また, 体重減少があった人の方が歩数の増加や食行動の改善を認 めた。 〈考察〉定期的な保健指導によって,具体的な食行動及び 身体活動といった行動変容を促すことができれば,より体 重減少効果をもたらすことが示唆された。指導にあたり対 象者自身が行動を見直せる場をつくり,そして対象者をエ ンパワーメントし,行動変容を実行期以上に維持できる継 続的な支援方法が必要であると考える。
Bibliography:P2-A108
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.58.0.361.0