下肢牽引施行中の肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症予防の試み 自主的に下肢運動に取り組むための一考察

【はじめに】整形外科領域における重篤な合併症の一つとして、肺血栓塞栓症(以下PTE)があり、深部静脈血栓症(以下DVT)が原因の一つである。下肢牽引中は、わずかな体動でも疼痛が生じ、必要以上の安静を保とうとする患者が多い。看護師は今まで、PTE・DVT予防について口頭で説明していたが、患者自身が実践している下肢運動の状況確認と評価を行っていなかった。そこで今回、患者が自主的に運動に取り組めるような看護支援を検討したのでここに報告する。【研究目的】PTE・DVT予防のために、患者が下肢運動を自主的に取り組むことが出来たかを明らかにする。【研究方法】1.研究期間  平成21年9月~11月2.研究対...

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Published in日本農村医学会学術総会抄録集 p. 317
Main Authors 見目, 厚司, 大橋, 悦子, 山形, 文子, 江田, 昌代, 佐藤, 美雪
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本農村医学会 2010
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ISSN1880-1749
1880-1730
DOI10.14879/nnigss.59.0.317.0

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Summary:【はじめに】整形外科領域における重篤な合併症の一つとして、肺血栓塞栓症(以下PTE)があり、深部静脈血栓症(以下DVT)が原因の一つである。下肢牽引中は、わずかな体動でも疼痛が生じ、必要以上の安静を保とうとする患者が多い。看護師は今まで、PTE・DVT予防について口頭で説明していたが、患者自身が実践している下肢運動の状況確認と評価を行っていなかった。そこで今回、患者が自主的に運動に取り組めるような看護支援を検討したのでここに報告する。【研究目的】PTE・DVT予防のために、患者が下肢運動を自主的に取り組むことが出来たかを明らかにする。【研究方法】1.研究期間  平成21年9月~11月2.研究対象  パンフレットと運動チェック表を用いて実施した患者8名3.研究方法1)「血栓予防のパンフレット」「足の運動チェック表」を作成し指導する。2)指導後の患者の反応などをもとに理解度と実践状況を評価し、看護支援について検討する。【結果】自主的かつ継続的下肢運動を実施できたのは7名、看護師・家族の協力を得て実施できたのは1名であった。その1名は、高齢による理解力の低下から自主的に運動する姿は見られなかったため、訪室毎にパンフレットを用いて必要性と具体的な方法を繰り返し説明した。家族にも同様の説明を実施して、家族の協力のもと、5日目には声かけにて下肢運動ができるようになった。【考察】自主的に下肢運動が継続して行えたことは、看護師が一貫した指導ができたこと、また指導内容をパンフレットで再確認しながら実践できていたためと考える。自主的に行えなかった事例の1例であるが、理解力の低下がある患者の場合は、家族を含め継続的な支援が必要であり、家族支援の重要性をあらためて考えることが出来た。今後もスタッフ間で問題を共有し、個々にあった指導や説明を行っていくことが重要である。
Bibliography:P2-B3-3
ISSN:1880-1749
1880-1730
DOI:10.14879/nnigss.59.0.317.0