膵体尾部脂肪置換を伴った膵胆管合流異常合併胆管癌の1例

症例は64歳,女性. 2003年6月頃から右側腹部痛があり近医を受診した. CTで胆管拡張を指摘され,精査加療目的で当科に入院した.腹部CTでは胆嚢の腫大,肝内胆管から上部胆管の拡張を認めた.また,膵体尾部は脂肪に置換していた. MRCP, ERCPでは三管合流部のすぐ下流側に2cm大の小結節状の陰影欠損があり,上流側胆管は直径2cmに紡錘形に拡張していた.また膵胆管合流異常を伴っていた.主膵管は体部まで造影されたが,尾部は造影されなかった.以上から膵胆管合流異常および膵体尾部脂肪置換を伴った胆管癌の診断で手術を施行した.術中胆道鏡で中下部胆管に乳頭状の腫瘍を確認し予定通りPPPDを施行した....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 66; no. 7; pp. 1717 - 1720
Main Authors 杉本, 琢哉, 近藤, 哲矢, 村瀬, 勝俊, 尾関, 豊, 島本, 強
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.07.2005
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.66.1717

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Summary:症例は64歳,女性. 2003年6月頃から右側腹部痛があり近医を受診した. CTで胆管拡張を指摘され,精査加療目的で当科に入院した.腹部CTでは胆嚢の腫大,肝内胆管から上部胆管の拡張を認めた.また,膵体尾部は脂肪に置換していた. MRCP, ERCPでは三管合流部のすぐ下流側に2cm大の小結節状の陰影欠損があり,上流側胆管は直径2cmに紡錘形に拡張していた.また膵胆管合流異常を伴っていた.主膵管は体部まで造影されたが,尾部は造影されなかった.以上から膵胆管合流異常および膵体尾部脂肪置換を伴った胆管癌の診断で手術を施行した.術中胆道鏡で中下部胆管に乳頭状の腫瘍を確認し予定通りPPPDを施行した.病理組織診断は乳頭腺癌,深達度ssでリンパ節転移は認めなかった.術後経過は良好で16カ月の現在無再発生存中である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.66.1717