ラット味蕾におけるbrain-mGluR4aの発現

【目的】taste-mGluR4aはうま味の味物質であるグルタミン酸ナトリウムの受容体と推定されているが, ラット味蕾においてはtaste-mGluR4aに加えbrian-mGluR4aのmRNAの発現が認められている. しかしながらこれらの受容体蛋白質の発現およびその局在に関しては殆ど明らかになっていない. そこで本研究では味蕾でのこれらの受容体蛋白質の発現の分析および味蕾での局在の検索を行った. 【方法】受容体蛋白質の発現の分析は, mGluR4aのC末端を認識する抗体を用いてラット葉状乳頭, 有郭乳頭および小脳の膜画分のウエスタンブロッティング分析により行った. 味蕾での局在の検索はラッ...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 595
Main Authors 豊野孝, 瀬田祐司, 片岡真司, 川野真太郎, 諸冨孝彦, 原田英光, 重本隆一, 豊島邦昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 20.08.2001
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Summary:【目的】taste-mGluR4aはうま味の味物質であるグルタミン酸ナトリウムの受容体と推定されているが, ラット味蕾においてはtaste-mGluR4aに加えbrian-mGluR4aのmRNAの発現が認められている. しかしながらこれらの受容体蛋白質の発現およびその局在に関しては殆ど明らかになっていない. そこで本研究では味蕾でのこれらの受容体蛋白質の発現の分析および味蕾での局在の検索を行った. 【方法】受容体蛋白質の発現の分析は, mGluR4aのC末端を認識する抗体を用いてラット葉状乳頭, 有郭乳頭および小脳の膜画分のウエスタンブロッティング分析により行った. 味蕾での局在の検索はラット茸状, 葉状および有郭乳頭の凍結切片を用いて蛍光抗体法により行った. 【結果】受容体蛋白質の発現の分析の結果, 葉状および有郭乳頭の膜画分において小脳の膜画分のbrain-mGluR4aと同じ移動度を示すバンドが検出され, それ以外の移動度を示すバンドは検出されなかった. 局在の検索ではラット茸状, 葉状および有郭乳頭において味蕾の味孔部においてのみその局在が認められ, 味蕾以外の部位においてはその局在は認められなかった. 【結論】受容体蛋白質の発現の分析および味蕾における局在の検索の結果, ラット味蕾の味孔においてbrain-mGluR4aが局在していることが明らかになった.
ISSN:0385-0137