老年者の99mTc-DMSA腎摂取率および腎容積 SPECT腎断層イメージによる測定

Single photon emission computed tomography (SPECT) で得られた99mTc-DMSA腎横断々層イメージから腎摂取率, 腎容積を求める腎機能検査法を試み, 老年者の腎機能について検討した. 対象は健常成人対照例20例, 年齢60歳~87歳, 平均70歳の老年者43例 (健常老年者13例, 各種老年腎疾患30例) の計63例である. 腎容積は吸収補正を用い再構成した各横断々層イメージ上で, 最適いき値法により決定した腎辺縁内の voxel 数を加算し算出した. 腎断層画像は重畳積分法により再構成し, 吸収補正は Sorrenson による前補正法を用...

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Published in日本老年医学会雑誌 Vol. 24; no. 6; pp. 567 - 574
Main Authors 大石, 幸彦, 町田, 豊平, 田代, 和也, 木戸, 晃, 和田, 鉄郎, 鳥居, 伸一郎, 吉越, 富久夫, 山田, 英夫, 丹野, 宗彦, 外山, 比南子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本老年医学会 01.11.1987
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Summary:Single photon emission computed tomography (SPECT) で得られた99mTc-DMSA腎横断々層イメージから腎摂取率, 腎容積を求める腎機能検査法を試み, 老年者の腎機能について検討した. 対象は健常成人対照例20例, 年齢60歳~87歳, 平均70歳の老年者43例 (健常老年者13例, 各種老年腎疾患30例) の計63例である. 腎容積は吸収補正を用い再構成した各横断々層イメージ上で, 最適いき値法により決定した腎辺縁内の voxel 数を加算し算出した. 腎断層画像は重畳積分法により再構成し, 吸収補正は Sorrenson による前補正法を用いたGE-STAR法により行い, 最適いき値は42%を使用した. 腎摂取率は腎容積内の総放射能を算出, 投与量に対する百分率で表した. 健常老年者13例26腎の99mTc-DMSA腎摂取率23±5%は健常成人20例40腎27±2%と比較し, 有意(p<0.01) に低値を示した. 老年者43症例79腎の腎容積と腎摂取率, 43例の総腎容積および総腎摂取率と Ccr 値の相関はおのおのr=0.5081 (p<0.01), r=0.3592 (p<0.01), r=0.6417 (p<0.01) で, 総腎摂取率と Ccr 値は比較的よく相関した. 本検査法は採血, 採尿を必要とせず, 腎断層イージも得られ老年者の分腎機能検査法として臨床的に有用と考えられた.
ISSN:0300-9173
DOI:10.3143/geriatrics.24.567