三叉神経吻側核前運動ニューロン軸索終末の超微構造に関する定量的解析

[研究目的]口腔内感覚情報を受ける三叉神経吻側核吻背内側部(Vo. r)ニューロンと運動ニューロンが形成するシナプスの形態, 及びその神経伝達物質を明らかにする事を目的とした. [研究方法]成猫を用い, 3%HRPを封入したガラス管微小電極を用いて, HRPを電気泳動的に細胞内に注入しVo. rニュー口ンを標識した. 三叉神経運動核(Vmo)におけるHRP標識終末を含有する切片より, 超薄連続切片を作製し, それらを電子顕微鏡で観察し, 連続写真の標識軸索瘤における, 軸索瘤の面積, ミトコンドリアの面積, active zoneの総面積, apposedsurface area, シナプス小...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 42; no. 5; p. 473
Main Authors 廣瀬陽介, 吉田篤, 深見秀之, 本間志保, 重永凱男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 30.08.2000
Japanese Association for Oral Biology
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Summary:[研究目的]口腔内感覚情報を受ける三叉神経吻側核吻背内側部(Vo. r)ニューロンと運動ニューロンが形成するシナプスの形態, 及びその神経伝達物質を明らかにする事を目的とした. [研究方法]成猫を用い, 3%HRPを封入したガラス管微小電極を用いて, HRPを電気泳動的に細胞内に注入しVo. rニュー口ンを標識した. 三叉神経運動核(Vmo)におけるHRP標識終末を含有する切片より, 超薄連続切片を作製し, それらを電子顕微鏡で観察し, 連続写真の標識軸索瘤における, 軸索瘤の面積, ミトコンドリアの面積, active zoneの総面積, apposedsurface area, シナプス小胞の性質を計測した. 次に伝達物質を同定する目的で, 2MKCIを封入したガラス管微小電極にて, Vo. r電気刺激により誘発されるシナプス後電位ヘのstrychnine, bicuculline, CNQX及びAPVの効果をVmoニューロンから記録した電位で検討した. [結果および考察]Vo. rニュー口ンは大多数が, Vmoニュ-ロンの細胞体か幹樹状突起と単一のシナプス接合を成すGABAとglycineを含有する抑制性介在ニューロンであり, PierceとMendellがIa-運動ニューロンシナプスにおいて提唱した“ultrastructural”sizeprinciple"がVo. rニュ-ロンにも成立することが判明した.
ISSN:0385-0137