痔瘻に対する原発巣開放手術-限局的laying open法
目的:痔瘻の根治手術として,ほとんどの痔瘻に対応でき,術式が単純で,かつ術後肛門機能にあまり支障をきたさない手術法(原発巣開放手術)を確立する. 方法: 1999年8月から2001年12月までに経験した高位の痔瘻27例に対して,一次口と一次瘻管と原発巣を切除し,皮下外肛門括約筋も切除してドレナージの良い開放創とするだけで二次瘻管と二次口はそのまま放置する手術を行った. 結果:手術後の観察期間は12カ月から40カ月で平均29カ月であった.再発はみられていない.平均入院日数は13日.創が治るまでの期間は7~17週で,平均10週を要した.残った二次瘻管と二次口は全て瘢痕化した.術後のアンケート調査を...
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Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 64; no. 6; pp. 1305 - 1311 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | English |
Published |
日本臨床外科学会
25.06.2003
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Summary: | 目的:痔瘻の根治手術として,ほとんどの痔瘻に対応でき,術式が単純で,かつ術後肛門機能にあまり支障をきたさない手術法(原発巣開放手術)を確立する. 方法: 1999年8月から2001年12月までに経験した高位の痔瘻27例に対して,一次口と一次瘻管と原発巣を切除し,皮下外肛門括約筋も切除してドレナージの良い開放創とするだけで二次瘻管と二次口はそのまま放置する手術を行った. 結果:手術後の観察期間は12カ月から40カ月で平均29カ月であった.再発はみられていない.平均入院日数は13日.創が治るまでの期間は7~17週で,平均10週を要した.残った二次瘻管と二次口は全て瘢痕化した.術後のアンケート調査を26例に行った.術後の肛門機能について,おならがよく洩れるという症状が4例, 15%にみられたが,便失禁はなかった. 19例(73%)でほぼ問題ないとの良い結果を得た. 結論:著者らが開発した原発巣開放手術(限局的laying open法)が,今後の痔瘻に対する,従来のlaying open法に代わる標準的な手術法に成り得ることを明らかにした. |
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ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
DOI: | 10.3919/jjsa.64.1305 |