LPS投与後のラット歯周組織におけるシクロオキシゲナーゼの発現の検討
【目的】骨のリモデリングや破壊において, 骨芽細胞によるシクロオキシゲナーゼ(COX)を介したPG産生経路の関与が報告されている. 本研究では, in vivoの系を用いLPS侵襲後の歯根膜や歯槽骨組織におけるCOXの発現状況を検討した. 【方法】7週齢ウィスター系雄性ラットの両側上顎臼歯咬合面に, E. coli由来のLps溶液(5. 0mg/ml)を浸した綿栓を1時間静置した. 投与開始後1, 3時間, 1,2,3,5および7日後に採取した同部組織の固定, 脱灰凍結切片を作成し, 免疫組織化学的にCOX-1, -2の局在を検討した. 【結果, 考察】1. COX-1発現は, LPS非投与例...
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Published in | 歯科基礎医学会雑誌 Vol. 43; no. 5; p. 609 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
歯科基礎医学会
20.08.2001
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Summary: | 【目的】骨のリモデリングや破壊において, 骨芽細胞によるシクロオキシゲナーゼ(COX)を介したPG産生経路の関与が報告されている. 本研究では, in vivoの系を用いLPS侵襲後の歯根膜や歯槽骨組織におけるCOXの発現状況を検討した. 【方法】7週齢ウィスター系雄性ラットの両側上顎臼歯咬合面に, E. coli由来のLps溶液(5. 0mg/ml)を浸した綿栓を1時間静置した. 投与開始後1, 3時間, 1,2,3,5および7日後に採取した同部組織の固定, 脱灰凍結切片を作成し, 免疫組織化学的にCOX-1, -2の局在を検討した. 【結果, 考察】1. COX-1発現は, LPS非投与例では骨細胞に見られ, LPS投与例でも変化しなかった事から, COX-1を介したPG産生は骨細胞の生理的機能調節へ関わると考えた. 2. LPS非投与例では, 弱いCOX-2発現が骨芽細胞やセメント芽細胞に観察され, 咬合圧刺激による骨やセメント質のリモデリングに関与すると推察された. 3. LPS投与例では, 歯槽骨頂部付近の骨芽細胞ならびにセメント芽細胞におけるCOX-2発現が増強するとともに, 同部の骨細胞にもCOX-2発現がみられるようになった, これらの細胞からの過剰なPG産生が骨, セメント質吸収や膠原線維の破壊を惹起する可能性が示唆された. 現在, セメント芽細胞におけるCOX発現の役割を明らかにするためマウスセメント芽細胞株を用いて検討を行っている. |
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ISSN: | 0385-0137 |