コンピュータ画像解析によるヒト胎生期の顎関節の細胞外基質の動態について

ヒト胎生期顎関節の成長に伴う細胞外基質の局在, 分布について検索, 解析を行った. 【方法】ヒト胎生期(12, 16, 20, 24, 32週齢)の顎関節の矢状断切片を材料として用い, ABC法により反応させた, I, II, III, V型コラーゲン, フィブロネクチン, テイネシン, オステオネクチン, オステオカルシンの各細胞外基質の局在を, カラー画像解析ソフト(Image Hyper II, インタークエスト社, 大阪)によって処理し, 解析を行った. 【結果と考察】特に胎生16週齢にPCNA(Positive proliferating Cell Nuclear Antigen)が...

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Published in歯科基礎医学会雑誌 Vol. 41; no. 5; p. 467
Main Authors 佐藤巌, 春原正隆, 上野隆治, 佐藤亨
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 歯科基礎医学会 30.08.1999
Japanese Association for Oral Biology
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ISSN0385-0137

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Summary:ヒト胎生期顎関節の成長に伴う細胞外基質の局在, 分布について検索, 解析を行った. 【方法】ヒト胎生期(12, 16, 20, 24, 32週齢)の顎関節の矢状断切片を材料として用い, ABC法により反応させた, I, II, III, V型コラーゲン, フィブロネクチン, テイネシン, オステオネクチン, オステオカルシンの各細胞外基質の局在を, カラー画像解析ソフト(Image Hyper II, インタークエスト社, 大阪)によって処理し, 解析を行った. 【結果と考察】特に胎生16週齢にPCNA(Positive proliferating Cell Nuclear Antigen)が増加し, 同時期にI, III, V型コラーゲンが局在した. 24週齢からは1, II, III型コラーゲン, フィブロネクチン等が再び局在性を示した. またオステオネクチン, オステオカルシンは24週齢から出現した. これらの細胞外基質の局在が下顎頭と下顎窩によって異なったことから, 成長時期の違いによる細胞外基質の動態は, 顎関節の器官形成に重要な役割を果たすことが示唆された.
ISSN:0385-0137