認知症患者を在宅において看取るためのケアのあり方 重症認知症患者の在宅介護が継続できた要因?在宅介護した家族からの聞き取り調査から?
認知症患者を在宅において看取るためのケアのあり方重度認知症患者の在宅介護が継続できた要因―在宅介護した家族からの聞き取り調査から― 川崎医療福祉大学 塚原貴子 NPO総合ケアシーザル 宮原伸二 山下幸恵 島根大学 樽井恵美子 認知症・在宅介護・家族 〈緒言〉認知症のある人を在宅においてケアし、看取ることは容易なことではない。しかし、病院の入院期間の短縮、療養型病床群の減少という医療政策、さらに、入所施設の長期間の待機や価値観の多様性などにより、在宅療養を希望するか否か...
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Published in | 日本農村医学会学術総会抄録集 p. 73 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本農村医学会
2008
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Subjects | |
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Summary: | 認知症患者を在宅において看取るためのケアのあり方重度認知症患者の在宅介護が継続できた要因―在宅介護した家族からの聞き取り調査から― 川崎医療福祉大学 塚原貴子 NPO総合ケアシーザル 宮原伸二 山下幸恵 島根大学 樽井恵美子 認知症・在宅介護・家族 〈緒言〉認知症のある人を在宅においてケアし、看取ることは容易なことではない。しかし、病院の入院期間の短縮、療養型病床群の減少という医療政策、さらに、入所施設の長期間の待機や価値観の多様性などにより、在宅療養を希望するか否かにかかわらず在宅療養者は増加する。認知症患者の介護者の介護負担に関する報告や、虐待の問題など、認知症患者の在宅介護の課題の多さがうかがえる。 そこで、認知症と診断され、現在、要介護2以上と判定され在宅介護を1年以上継続できた要因を聞き取り調査から明らかにした。〈方法〉A県、B県、C県の介護支援センター、訪問看護ステーションに認知症と診断され、在宅で介護している要介護度2以上の対象の抽出を依頼し、研究の目的を説明し同意の得られた5人の介護者を対象とした。面接内容は_丸1_認知症と診断された時のお気持ちをお聞かせください。_丸2_在宅での介護をしようと思われたきっかけは何ですか。_丸3_在宅介護をして、要介護者、介護者にとってよかったことは何ですか。_丸4_在宅介護中困った出来事は何ですか。どんなささいな出来事でもお聞かせください。_丸5_困難な出来 事に対して、どの様な対処をしましたか。_丸6_在宅介護を継続するのに、どの様なサービスや支援があると要介護者、介護者のQOLはよくなると思われますか。_丸7_在宅介護を継続できた要因は何だと思われますか。の7項目であった。データの分析方法は、半構成的な面接によるインタビューで得られたデータをグランデットセオリー・アプローチに基づき分析を行った。〈結果〉認知症のある家族を介護している介護者が、面接で語った125コードから在宅介護を継続に関わる要因として見出された中核概念は『要介護者から得た介護意欲』『本人の要望に添える予感』『サポートの質と量』『周辺症状の介護技術の向上』『認知症の受容』『予測困難な反応』『介護の対処困難』『介護者の急変』『サポートの不足』の9つであった。在宅介護の継続に関わる要因には図1に示した「在宅介護を継続する要因」と「在宅介護の継続を阻害する要因」があり、継続要因を増強させることと阻害要因を克服していく力が必要と考えられる。専門職者のサポートの質が在宅介護の継続の要因に強くかかわっていた。地域住民、専門職及び身内からの必要なサポートを受けることで、在宅介護が継続できていた。『周辺症状の介護技術の向上』は、介護に自信を持つ事が出来、介護の肯定的側面を強化できる。在宅介護を介護者が決断する場合に介護が出来そうだという見通しの保持が必要であった。本研究は19年度全共連調査委託研究により行った。 |
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Bibliography: | 1F025 |
ISSN: | 1880-1749 1880-1730 |
DOI: | 10.14879/nnigss.57.0.73.0 |