生物学的製剤の使用が関節リウマチ患者の骨質に与える影響
「はじめに」関節リウマチ (以下RA) は慢性, 進行性に全身の関節の炎症をきたす疾患であり, 関節破壊のみではなく, 続発性の骨粗鬆症の原因となることが知られている. RAは関節の変形により身体機能の低下を起こすが, それに加えて続発性骨粗鬆症により骨折をきたすとより重度の障害が発生する. 近年提唱されている「Treat to Target」の基本的な考え方でもRAの主要な治療目標は患者の長期的QOLを最大限まで改善する事であると述べられており, それを実現するためには, 関節破壊の予防だけでなく, 骨折リスクの評価も早期から行っていくことが必要である. 近年, 骨密度と独立した骨折のリスク...
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Published in | 日本関節病学会誌 Vol. 33; no. 1; pp. 55 - 63 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本関節病学会
2014
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ISSN | 1883-2873 |
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Summary: | 「はじめに」関節リウマチ (以下RA) は慢性, 進行性に全身の関節の炎症をきたす疾患であり, 関節破壊のみではなく, 続発性の骨粗鬆症の原因となることが知られている. RAは関節の変形により身体機能の低下を起こすが, それに加えて続発性骨粗鬆症により骨折をきたすとより重度の障害が発生する. 近年提唱されている「Treat to Target」の基本的な考え方でもRAの主要な治療目標は患者の長期的QOLを最大限まで改善する事であると述べられており, それを実現するためには, 関節破壊の予防だけでなく, 骨折リスクの評価も早期から行っていくことが必要である. 近年, 骨密度と独立した骨折のリスク因子として骨質の存在が注目されている. 血中及び尿中ペントシジン値や血中ホモシステイン値は代表的な骨質マーカーであり, RA患者ではしばしば高値を示すと報告されている. |
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ISSN: | 1883-2873 |